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歯科で使うオゾン水とは?5ppmオゾン水の抗菌作用を研究データから解説

Last Updated on 3 days ago by prebeau

「歯科で使うオゾン水とは何ですか?」

「5ppmのオゾン水には、どのくらいの抗菌作用がありますか?」

「歯周病菌やむし歯菌を99%以上殺菌できるというのは本当ですか?」

オゾン水とは、オゾン(O₃)を水中に溶解させた水です。

オゾンには強い酸化作用があり、細菌などの微生物に対する抗菌作用が研究されています。

歯科領域でも、

  • Streptococcus mutans(ミュータンス菌)
  • Porphyromonas gingivalis
  • Fusobacterium nucleatum
  • Prevotella intermedia

など、むし歯や歯周病と関連する口腔細菌を対象とした研究があります。

東京・赤坂のPreBeau Oral Careでは、メンテナンス時に必要に応じて5ppmオゾン水を使用しています。

ただし、最初に重要な点があります。

「5ppmオゾン水を使用すれば、患者様の口腔内細菌を99%以上殺菌できる」という意味ではありません。

4〜6ppmのオゾン水について99%を超える生菌数減少を示した研究はありますが、これは特定の細菌を用いたin vitro(実験室内)、主として浮遊菌条件で得られた結果です。

実際の口腔内には唾液、タンパク質、歯石、成熟したバイオフィルムなどが存在するため、基礎研究の数値をそのまま患者様の口腔内へ当てはめることはできません。

PreBeau Oral Careではこの違いを明確にしたうえで、GBT・エアフローによる物理的なバイオフィルム管理を基本とし、5ppmオゾン水を必要に応じて補助的に組み合わせるという考え方でメンテナンスを行っています。

東京・赤坂のGBT・エアフロー・5ppmオゾン水による自費メンテナンス

監修:歯科医師 毛利 国安
PreBeau Oral Care 院長


オゾン水とは?

オゾン(O₃)は、3個の酸素原子から構成される分子です。

通常の酸素はO₂ですが、オゾンはO₃であり、反応性の高い酸化剤です。

このオゾンを水中に溶解させたものがオゾン水です。

オゾンによる抗菌作用には、微生物の細胞膜や細胞壁、タンパク質などへの酸化作用が関係すると考えられています。

歯科では、オゾンについて、

  • 気体のオゾン
  • オゾン水
  • オゾン化オイル・ジェル

など複数の形態が研究されています。

そのため、「オゾン療法」という言葉だけでは、どの方法・濃度・製剤を指しているのか分かりません。

PreBeau Oral Careでメンテナンスに使用しているのは5ppmのオゾン水です。


なぜ歯科でオゾン水が注目されるの?

口腔内では多くの微生物が生活しています。

その中には、

  • むし歯
  • 歯肉炎
  • 歯周炎
  • インプラント周囲炎

などに関与する細菌も含まれています。

オゾン水にはこうした口腔関連細菌に対する抗菌作用を示した研究があり、化学的な補助的アプローチとして研究されてきました。

一方で、口腔内を完全に無菌にすることが歯科予防の目的ではありません。

健康な口腔内にも多数の常在微生物が存在するからです。

歯科メンテナンスで重要なのは、

病的なバイオフィルムの蓄積を継続的に管理すること

です。


5ppmオゾン水とはどのくらいの濃度?

ppmは「parts per million」の略で、濃度を示す単位です。

水溶液では条件によりますが、概念的には1ppmはおよそ1mg/Lに相当します。

したがって、

5ppm ≒ 5mg/L程度

のオゾン濃度として考えることができます。

ただし、オゾンは反応性が高く分解しやすいため、

「生成時5ppm」なのか「実際に使用するとき5ppmなのか」

は重要な違いです。

通常のオゾン水は不安定で、時間経過とともに濃度が低下しやすいことが知られています。4〜6ppmのオゾン・ウルトラファインバブル水を研究した2023年の論文でも、通常のオゾン水が短い半減期を持つことが技術的課題として説明されています。

そのため、オゾン水は単に「オゾン水を使用しているか」ではなく、濃度と使用条件まで確認することが重要です。


4〜6ppmオゾン水で「30秒以内に99%以上減少」という研究

5ppmオゾン水を考えるうえで重要な基礎研究があります。

2023年に報告された研究では、4〜6ppmのオゾン・ウルトラファインバブル水を複数の病原性細菌に作用させました。

対象には、

  • Streptococcus mutans
  • Streptococcus sobrinus
  • Fusobacterium nucleatum
  • Prevotella intermedia
  • Porphyromonas gingivalis

など、歯科と関連性の高い細菌が含まれていました。

その結果、これらの細菌のplanktonic culture(浮遊菌)では、30秒以内に生菌数が99%を超えて減少しました。

PreBeau Oral Careで使用する5ppmは、この研究の4〜6ppmという濃度範囲に入ります。

ただし、

「5ppmだから同じ結果になる」

という意味ではありません。

オゾン水の生成方式や使用条件、対象細菌、接触時間などが異なれば結果も変わります。

5ppmオゾン水は口腔細菌にどこまで有効?ミュータンス菌・歯周病菌への研究結果


4ppmオゾン水では10秒でも強い抗菌作用

さらに古くから知られている重要な研究があります。

2004年、九州歯科大学の研究グループは、4mg/L(約4ppm)のオゾン水を複数の口腔微生物に作用させました。

その結果、10秒間の処理後にはほとんどの微生物が検出されないレベルまで低下したと報告されています。

Streptococcus mutansについても速やかな殺菌作用が確認され、実験的歯垢やヒト由来歯垢サンプルでも生菌数の著しい減少が確認されました。

これは、比較的低濃度のオゾン水でも、実験条件下では短時間に強い抗菌作用を示す可能性があることを示した研究です。

オゾン水は何秒で作用する?4〜6ppmオゾン水の口腔細菌に対する研究


ミュータンス菌にもオゾン水は作用する?

Streptococcus mutans(S. mutans)は、むし歯の発症に関与する代表的な細菌のひとつです。

2004年の研究では、4ppmオゾン水によってS. mutansの生存率が急速に低下しました。

また、2023年の4〜6ppm研究でも、S. mutansの浮遊菌は30秒以内に99%を超えて減少しています。

したがって、

約4〜6ppmのオゾン水には、実験室内条件でS. mutansに対して強い抗菌作用を示した複数の研究がある

という説明は可能です。

ただし、むし歯はS. mutansだけで決まる疾患ではありません。

食生活、唾液、歯質、フッ化物、セルフケア、バイオフィルムの生態など、さまざまな要因が関係しています。

そのため、

「S. mutansを減らせばむし歯にならない」

とは言えません。


P. gingivalisなどの歯周病関連菌にも研究がある

Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)は、歯周炎と関連する代表的な細菌のひとつです。

2023年の4〜6ppmオゾン水研究では、

  • P. gingivalis
  • Fusobacterium nucleatum
  • Prevotella intermedia

についても、浮遊菌条件で30秒以内に99%を超える生菌数減少が報告されています。

つまり、5ppm付近のオゾン水には、むし歯関連菌だけではなく複数の歯周病関連菌に対する基礎研究があります。

ミュータンス菌・Porphyromonas gingivalisに対するオゾン水の抗菌効果とは


「99%以上殺菌」という表現で注意すべきこと

オゾン水について最も誤解されやすいのが、この「99%以上」という数字です。

2023年研究では確かに、4〜6ppmのオゾン水で複数の細菌について30秒以内に99%を超える生菌数減少が確認されています。

しかし、これは、

実験室内で調整した細菌懸濁液

での結果です。

実際の口腔内には、

  • 唾液
  • タンパク質
  • 食物残渣
  • 歯石
  • 歯肉溝滲出液
  • 複数菌種からなる成熟バイオフィルム

が存在します。

したがって、

「5ppmオゾン水で口腔内細菌を99%殺菌」

という患者向け表現は正確ではありません。

PreBeau Oral Careで使用するなら、

「4〜6ppmのオゾン水について、特定の口腔関連細菌の浮遊菌を実験室内で30秒以内に99%以上減少させた研究があります」

という表現が科学的に適切です。


浮遊菌とバイオフィルムは大きく違う

この違いは非常に重要です。

浮遊菌

液体の中に1個ずつ、あるいは小さな集団として存在する細菌です。

抗菌剤が細菌へ直接接触しやすい状態です。

バイオフィルム

細菌が歯面などへ付着し、複数菌種が集まり、細胞外マトリックスなどに包まれた構造です。

抗菌剤の浸透や作用が、浮遊菌とは異なる場合があります。

歯科で実際に問題になるのは、多くの場合バイオフィルムです。

したがって、

浮遊菌を99%以上減らした

ことと、

成熟した口腔バイオフィルムを99%以上除去・殺菌した

ことは同じではありません。


だからこそ「バイオフィルムを物理的に除去する」ことが基本

PreBeau Oral Careがオゾン水単独ではなくGBT・エアフローを中心としている理由がここにあります。

エアフローは、水・空気・微細なパウダーを使用し、歯面などのバイオフィルムを物理的に除去する方法です。

一方、オゾン水は抗菌的な作用を期待する方法です。

つまり、

エアフロー:バイオフィルムそのものへの物理的アプローチ

オゾン水:微生物への化学的・抗菌的アプローチ

という役割の違いがあります。

バイオフィルム除去と抗菌は別物?エアフローとオゾン水の役割を解説


5ppmオゾン水だけで歯周病は治せる?

いいえ。

少なくとも現在のエビデンスから、

5ppmオゾン水だけで歯周病を治療できる

とは言えません。

歯周病では、

  • バイオフィルム
  • 歯石
  • 歯周ポケット
  • 炎症
  • 骨吸収
  • 喫煙
  • 糖尿病などの全身的リスク

などを総合的に評価する必要があります。

進行した歯周病では、必要に応じて歯肉縁下デブライドメントなどの歯周治療が必要です。

オゾン水は、こうした診断・機械的処置の代わりになるものではありません。


2026年のsystematic reviewでは臨床エビデンスは「low」

では、人の口腔内で実際にオゾン水を使用した研究はどうでしょうか。

2026年8月にEvidence-Based Dentistryに掲載されたsystematic review / meta-analysisでは、健康な被験者にオゾン水を使用したRCTが検討されています。

5研究が定性的評価、4研究がmeta-analysisに含まれました。

結果として、オゾン水ではプラセボまたはクロルヘキシジンと比較して短期的なプラーク減少に良い傾向がみられたものの、統計学的に明確な差は確認されませんでした。

さらにGRADEによるエビデンス確実性はlowと評価されています。

研究者らは、オゾン水を通常の洗口法より優れた方法として日常的に推奨するには、より質の高い長期臨床研究が必要としています。

この結果は非常に重要です。


「試験管内では強い」ことと「患者様で臨床効果が高い」ことは別

整理すると、

基礎研究

4〜6ppmオゾン水
→ 特定の口腔関連細菌の浮遊菌で30秒以内に99%超の減少。

約4ppmオゾン水
→ 10秒で口腔微生物に強い抗菌作用。

臨床研究

2026年systematic review
→ プラーク減少に良好な傾向はあるものの、有意な優越性は確認されず、エビデンス確実性はlow。

という状態です。

つまり、

抗菌作用がない

わけでも、

臨床的に99%殺菌できることが証明された

わけでもありません。

これが現在のエビデンスに近い説明です。


オゾン水とクロルヘキシジンはどちらがいい?

クロルヘキシジン(CHX)は歯科で広く研究されてきた抗菌剤です。

一方で使用条件によって、

  • 着色
  • 味覚への影響
  • 粘膜への影響

などが問題になることがあります。

オゾン水は別の作用機序を持つため代替的な抗菌アプローチとして研究されていますが、2026年systematic reviewでは、クロルヘキシジンやプラセボよりオゾン水が明確に優れているとは確認されていません。

したがって、

「オゾン水の方がクロルヘキシジンより優れている」

という断定は避けるべきです。


オゾン水は保存できる?

オゾン水の特徴のひとつが不安定性です。

オゾンは反応性が高く、水中でも時間とともに分解していきます。

最終的には主に酸素へと変化します。

そのため、

  • 生成時の濃度
  • 使用時までの時間
  • 温度
  • 保存容器
  • 有機物

などによって濃度が変化する可能性があります。

2023年研究では、この弱点を補うためにultrafine bubble(ウルトラファインバブル)技術を利用しています。

つまり、研究を見るときにも、

「普通のオゾン水」なのか
「ウルトラファインバブル・オゾン水」なのか

まで確認することが重要です。


5ppmなら濃ければ濃いほど良い?

そうとは限りません。

抗菌剤について、

濃度が高い=必ず臨床的に優れている

とは限りません。

重要なのは、

  • 必要な抗菌作用
  • 組織への影響
  • 使用目的
  • 接触時間
  • 安全性
  • 実際の臨床エビデンス

とのバランスです。

PreBeau Oral Careでは5ppmオゾン水を使用していますが、

「5ppmだから最高」

という意味ではありません。

現在使用している濃度と、4〜6ppm付近で行われた口腔細菌研究との関連性を参考にしながら使用しています。


次亜塩素酸水との違いは?

次亜塩素酸(HOCl)も、歯科で使用・研究されてきた抗菌成分です。

旧天野歯科では次亜塩素酸系機能水を診療へ取り入れていました。

一方、PreBeau Oral Careでは現在5ppmオゾン水を使用しています。

ただし、

次亜塩素酸水 → オゾン水へ変わったから、単純に「より強い水へ進化した」という意味ではありません。

異なる化学物質なので、ppmや作用時間だけでは直接比較できません。

次亜塩素酸水とオゾン水は何が違う?歯科メンテナンスで使われる抗菌水を比較

旧天野歯科でEPIOS・次亜塩素酸水を使用したメンテナンスを受けていた方へ


PreBeau Oral Careでは「オゾン水だけ」に頼りません

現在のPreBeau Oral Careのメンテナンスで重要なのは、

5ppmオゾン水を使っていること自体ではありません。

基本となるのは、

口腔内の評価

バイオフィルムの可視化

GBT・エアフローによる物理的除去

必要な歯石の除去

必要に応じて5ppmオゾン水

セルフケア改善

リスクに応じた定期管理

という流れです。

抗菌水だけに頼るのではなく、物理的なバイオフィルム管理を中心に置いています。

エアフローと5ppmオゾン水を組み合わせた歯科メンテナンスとは


5ppmオゾン水について現在言えること

現在の研究から、比較的慎重にまとめると、

言えること

  • 約4〜6ppmのオゾン水には口腔関連細菌に対する強いin vitro抗菌作用を示した研究がある
  • 4〜6ppm研究では、複数の浮遊菌について30秒以内に99%を超える生菌数減少が報告されている
  • 約4ppm研究では10秒という短時間でも口腔微生物への強い作用が報告されている
  • S. mutansやP. gingivalisなど歯科的に重要な細菌も研究対象になっている

まだ断定できないこと

  • 5ppmなら患者様の口腔内細菌を99%以上殺菌できる
  • 5ppmオゾン水だけで歯周病を予防できる
  • 5ppmオゾン水だけでむし歯を予防できる
  • 従来の洗口法より臨床的に優れている
  • クロルヘキシジンより優れている

ということになります。

特に2026年のsystematic reviewでは、臨床的なプラーク減少について現時点のエビデンス確実性はlowと評価されています。


赤坂で5ppmオゾン水を使った歯科メンテナンスをお探しの方へ

東京・赤坂のPreBeau Oral Careでは、必要に応じて5ppmオゾン水をメンテナンスへ取り入れています。

ただし、オゾン水を「魔法の殺菌水」として使用しているわけではありません。

強い基礎研究の結果と、まだ限定的な臨床エビデンスを両方理解したうえで使用する。

これが重要だと考えています。

そのため、

  • GBT
  • エアフロー
  • PMTC
  • 必要な歯石除去
  • 歯周組織の評価
  • インプラント・セラミックの確認
  • セルフケア
  • 必要に応じた5ppmオゾン水

を組み合わせてメンテナンスを行います。

目的は、

口腔内を完全に殺菌することではなく、バイオフィルムを継続的に管理し、現在ある天然歯・インプラント・修復物をできるだけ長く維持すること

です。

東京・赤坂のGBT・エアフロー・5ppmオゾン水による自費歯科メンテナンス


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参考文献

Nagayoshi M, et al.
Efficacy of ozone on survival and permeability of oral microorganisms.
Oral Microbiology and Immunology. 2004.
PubMed PMID: 15209994.

Ozone ultrafine bubble water exhibits bactericidal activity against pathogenic bacteria in the oral cavity and upper airway and disinfects contaminated healthcare equipment.
2023.
PubMed PMID: 37043490.

Mohandas R, Mohapatra S, Krishnan RP.
Ozonated water as a preventive oral hygiene aid: a systematic review and meta-analysis of its role in reducing dental plaque.
Evidence-Based Dentistry. 2026.
PubMed PMID: 42542467.


医療情報について

本記事は、査読済み基礎研究およびsystematic review / meta-analysisなどを参考に、歯科医師・毛利国安が監修しています。

オゾン水の抗菌作用は、オゾン濃度、生成方法、接触時間、温度、有機物、対象細菌、浮遊菌またはバイオフィルムなどの条件によって異なります。

本記事で紹介している「99%以上」という数値は、4〜6ppmのオゾン・ウルトラファインバブル水を特定の細菌の浮遊菌へ作用させたin vitro研究による結果です。実際の患者様の口腔内細菌が同じ割合で減少することを保証するものではありません。

また、2026年のsystematic reviewでは、オゾン水による臨床的なプラーク減少について現時点のエビデンス確実性はlowと評価されています。

5ppmオゾン水のみでむし歯・歯周病を予防または治療できることを示すものではなく、実際のメンテナンスでは、口腔内および歯周組織を評価し、物理的なバイオフィルム管理を基本として必要な方法を個別に選択します。

監修:毛利 国安
歯科医師/PreBeau Oral Care 院長
大阪大学歯学部卒業
ミシガン大学 歯周病学分野 Postdoctoral Fellow
UCLA ACT Surgical Implant Dentistry Resident
元 霞が関デンタルオフィス院長
Icon(アイコン)公認講師・KOL