歯のクリーニングとホワイトニングの違いは?どっちを先にする?歯科医師が解説
Last Updated on 32 minutes ago by prebeau
「歯のクリーニングをすれば白くなる?」
「ホワイトニングとクリーニングは何が違う?」
「歯が黄色い場合、どっちを受ければいい?」
歯をきれいにしたいと考えたとき、
クリーニングとホワイトニングのどちらを選べばいいのか
迷う方は少なくありません。
どちらも施術後に歯が明るく見えることがありますが、目的と作用は異なります。
簡単にいうと、
クリーニング=歯の表面についた汚れ・歯石・ステインなどを取り除く
ホワイトニング=過酸化物を用いて天然歯そのものの色調を明るくする
という違いがあります。
そのため、
「歯が黄色いから、とりあえずホワイトニング」
と考えるのではなく、
なぜ黄色く見えているのか
を確認することが大切です。
この記事では、東京・赤坂のPreBeau Oral Care院長・歯科医師の毛利国安が、クリーニングとホワイトニングの違い、どちらを先に受ければよいのか、どのように使い分ければよいのかを解説します。
結論:汚れを取るのがクリーニング、歯そのものを白くするのがホワイトニング
まず大きな違いを整理します。
| クリーニング | ホワイトニング | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 口腔内・歯面の清掃 | 天然歯の色調を明るくする |
| 歯垢 | 除去対象 | 基本的な目的ではない |
| 歯石 | 除去対象 | 除去できない |
| 表面ステイン | 除去できる場合がある | 漂白とは作用が異なる |
| 天然歯そのものの黄ばみ | 本来の歯色以上には基本的に白くしない | 明るくできる可能性がある |
| 虫歯・歯周病予防との関係 | 重要 | 主目的ではない |
| 主に使用するもの | 器具・研磨・エアポリッシングなど | 過酸化水素・過酸化尿素など |
| セラミックそのものを白くする | × | × |
一番重要なのは、
「歯が黄色い原因は何なのか?」
です。
原因によって必要な処置が変わります。
歯科ホワイトニングそのものの仕組みについては、歯のホワイトニングとは?歯医者で歯が白くなる仕組みを歯科医師が解説もご覧ください。
歯のクリーニングとは?
歯科医院で行うクリーニングは、歯の表面や歯周組織周辺に存在する、
- プラーク
- バイオフィルム
- 歯石
- ステイン
などを除去することを目的として行います。
患者さんの口腔内の状態に応じて、
- 超音波スケーラー
- 手用スケーラー
- ラバーカップ
- ポリッシング
- エアポリッシング
などを使用することがあります。
つまりクリーニングは、単に、
「歯を白く見せる美容施術」
というだけではありません。
口腔内のバイオフィルムや歯石などを管理し、歯周組織の健康を維持していくという意味もあります。
クリーニングで歯は白くなる?
白く見えるようになることはあります。
ただし、
歯そのものを漂白しているわけではありません。
たとえば、歯の表面に、
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- 赤ワイン
- タバコ
などによるステインが付着している場合。
その着色をクリーニングで除去すると、
本来の歯の色が見えるようになるため、歯が白くなったように感じる
ことがあります。
米国歯科医師会(ADA)も、多くの外因性ステインはブラッシングや専門的なプロフィラキシスなどの機械的方法で軽減できると説明しています。
American Dental Association(ADA)|Whitening
クリーニングでは「本来の歯の色以上」には基本的に白くならない
ここがホワイトニングとの最大の違いです。
たとえば、
ステインをすべて取り除いた状態でも天然歯そのものが黄色く見える
とします。
この黄色が天然歯自体の色であれば、さらにクリーニングを繰り返しても、基本的にはそれ以上白くなりません。
「もっと強く磨けば白くなる」
というものではないからです。
そこで、
天然歯そのものの色をさらに明るくしたい
という場合にホワイトニングを検討します。
ホワイトニングとは?
歯科におけるホワイトニングでは、主に、
過酸化水素
または
過酸化尿素
を使用します。
過酸化物が歯質内へ拡散し、色に関係する分子へ作用することで天然歯の色調を明るくします。
つまり、
表面についているものを取り除く
のがクリーニング、
天然歯自体の色調を変化させる
のがホワイトニングです。
「黄色い歯」には大きく2つのパターンがある
患者さんから見ると、どちらも単純に、
「歯が黄色い」
ように見えます。
しかし歯科医師から見ると、原因を分けて考える必要があります。
表面が黄色・茶色くなっている
たとえば、
- コーヒー
- 紅茶
- タバコ
- 食品
- プラーク
- 歯石
など。
この場合には、まずクリーニングが適している可能性があります。
歯そのものの色が黄色い
表面をきれいにしても黄色く見える場合です。
この場合にはホワイトニングが選択肢になります。
つまり、
「黄色い=ホワイトニング」ではありません。
クリーニングとホワイトニング、どっちを先にする?
一般的には、
必要なクリーニング
↓
ホワイトニング
という順番を検討しやすいです。
歯面に多量のプラークや歯石、ステインが付着している場合、それらを取り除いてから本来の歯の色を評価したほうが、
本当にホワイトニングが必要なのか
を判断しやすくなるためです。
またホワイトニング前には、
- 虫歯
- 歯肉の炎症
- 歯の亀裂
- 知覚過敏
- 修復物
などの状態も確認します。
つまり、
いきなり白くするのではなく、まず口腔内を確認する
という順番です。
必ずクリーニングしてからでないとホワイトニングできない?
いいえ。
ここも誤解されやすいところです。
患者さんによっては、
- 歯石がほとんどない
- ステインが少ない
- プラークコントロールが良好
- 定期的にメインテナンスを受けている
場合もあります。
そのような場合、ホワイトニングのためだけに毎回大掛かりなクリーニングが必要とは限りません。
したがって、
「ホワイトニング前は全員必ずクリーニング○回」
と一律に決めるのではなく、実際の口腔内を確認して判断します。
ステインがあるなら、まずホワイトニングではダメ?
ステインが目立つ場合には、まずクリーニングを行ったほうが合理的なことがあります。
なぜなら、
ホワイトニングをしなくても、ステインを除去しただけで患者さんが満足する可能性がある
からです。
たとえば、
「前歯の茶色い部分が気になる」
という方。
それが天然歯そのものの変色ではなく、コーヒーなどによる表面着色であれば、クリーニングだけで見た目が改善する場合があります。
その状態で、
「もう少し歯全体を白くしたい」
となった段階でホワイトニングを検討できます。
クリーニング後すぐにホワイトニングできる?
これは、
行ったクリーニングの内容や口腔内の状態によって判断します。
単純な表面清掃と、歯肉縁下まで含む歯周治療では意味が違います。
また、
- 歯肉から出血している
- 歯肉炎が強い
- 知覚過敏がある
- 歯面への刺激が強かった
などの場合には、状態を落ち着かせてからホワイトニングしたほうがよいことがあります。
したがって、
「クリーニングしたら必ずその日にホワイトニングできる」
と一律には言えません。
ホワイトニング後にもクリーニングは必要?
はい。
ホワイトニングをしたからといって、その後ステインやプラークがつかなくなるわけではありません。
ホワイトニング後も、
- プラーク
- 歯石
- バイオフィルム
- ステイン
は日常生活の中で付着します。
そのため、口腔内の健康管理という意味では、その後も適切なセルフケアや必要に応じた歯科医院での管理が重要です。
「色戻り」と思ったら、実はステインかもしれない
ホワイトニング後しばらくして、
「黄色く戻ってきた」
「ホワイトニングの効果が切れた」
と感じることがあります。
しかし、必ずしも歯そのものの色が戻ったとは限りません。
コーヒーや紅茶などによる外因性ステインが表面に付着しているだけという場合があります。
この場合、
すぐ追加ホワイトニングをするより、クリーニングで改善する可能性
があります。
そのため色が気になってきたら、
クリーニングで取れる着色なのか
それとも、
天然歯そのものの色調変化なのか
を確認することが大切です。
詳しくは、ホワイトニングはどのくらい持つ?色戻りの原因と白さを長持ちさせる方法をご覧ください。
コーヒーをよく飲む人はクリーニング?ホワイトニング?
両方が必要になることもあります。
たとえばコーヒーによる表面ステインが多い場合、
まずクリーニングでステインを除去します。
その状態で、
「本来の歯の色よりさらに白くしたい」
という希望があれば、ホワイトニングを検討します。
つまり、
コーヒーを飲む人=ホワイトニング
でも、
コーヒーを飲む人=クリーニングだけ
でもありません。
歯が暗く見える原因を確認することが先です。
ホワイトニング後のコーヒーや食事については、ホワイトニング後の食事は何時間あける?食べていいもの・避けたいものでも詳しく解説しています。
エアフロー・パウダークリーニングはホワイトニング?
ここもよく混同されます。
パウダーを使用するエアポリッシングでは、歯面のバイオフィルムやステインを効率的に除去することができます。
しかし、
パウダークリーニング=過酸化物によるホワイトニング
ではありません。
ステインが取れて歯が明るく見えることと、
天然歯そのものを漂白すること
は区別する必要があります。
エアフローで歯が白くなったなら、ホワイトニングはいらない?
それで患者さんが満足するのであれば、もちろん問題ありません。
患者さんが希望しているのが、
「茶色い着色をなくして、清潔な歯にしたい」
ということであれば、クリーニングだけで十分なことがあります。
その状態で無理に、
「もっと白くしましょう」
とホワイトニングを追加する必要はありません。
PreBeau Oral Careでは、
白くできるか
だけではなく、
患者さんがどこまで白くしたいのか
も大切にしています。
逆にクリーニングを何回しても白くならないのはなぜ?
ステインが取れたあとも黄色く見えるのであれば、それが天然歯本来の色である可能性があります。
また、
- 加齢
- 象牙質の色
- 歯の厚み
- テトラサイクリン変色
- 神経を失った歯
- 修復物
などが関係している場合もあります。
その場合、
さらに強く研磨する
のは適切ではありません。
ホワイトニングが適しているのか、あるいは別の方法が必要なのかを判断します。
詳しくは、ホワイトニングしても白くならない歯がある?原因と対処法を歯科医師が解説をご覧ください。
セラミックはクリーニングやホワイトニングで白くなる?
セラミックやコンポジットレジンなどの修復材料は、天然歯とは異なります。
ホワイトニング剤によって、
天然歯と同じように材料そのものを白くすることはできません。
ただし表面にステインが付着していれば、クリーニングによって見た目が改善する可能性はあります。
前歯にセラミックなどがある場合には、ホワイトニング後に天然歯との色差が生じる可能性も考慮する必要があります。
ホワイトニング歯磨き粉はクリーニング?ホワイトニング?
商品によって異なりますが、一般的な「ホワイトニング歯磨き粉」の多くは、
表面ステインを落として歯を明るく見せる
ことを主な作用としています。
その意味では、歯科医院で行う過酸化物による漂白とは作用が異なります。
市販品やセルフホワイトニングとの違いについて詳しくは、歯医者のホワイトニングとセルフホワイトニングは何が違う?本当に白くなる方法を比較をご覧ください。
結婚式前ならクリーニングとホワイトニングどっち?
結婚式や写真撮影など、大切な予定を控えている場合にも、
まず現在の歯の状態を確認する
ことをおすすめします。
ステインが多いなら、まずクリーニング。
さらに天然歯自体を明るくしたいなら、ホワイトニング。
というように段階的に考えられます。
予定直前になって、
「思ったより白くならなかった」
「知覚過敏が出た」
ということを避けるためにも、ある程度余裕を持って相談するとよいでしょう。
必要な施術回数については、ホワイトニングは何回で白くなる?1回の効果と回数の目安をご覧ください。
クリーニング+ホワイトニングという考え方
クリーニングとホワイトニングは競合する治療ではありません。
むしろ、
クリーニング
→ 表面をきれいにする
ホワイトニング
→ 天然歯そのものの色調を明るくする
というように、目的が違うため組み合わせることができます。
さらにその後も、
定期的な口腔管理・クリーニング
を行うことで、口腔内の健康と見た目の両方を維持していくことができます。
ホワイトニングするならオフィスとホームどちら?
クリーニング後、
「もっと白くしたい」
という場合には、次にホワイトニング方法を選びます。
歯科医院で行うオフィスホワイトニング。
自宅で一定期間行うホームホワイトニング。
さらに両方を組み合わせるデュアルホワイトニングがあります。
どれが絶対に一番よいというものではありません。
期間、知覚過敏、生活スタイル、希望する白さなどによって選択します。
詳しくは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングどっちがいい?違いを歯科医師が比較をご覧ください。
オフィス+ホームを組み合わせる方法については、デュアルホワイトニングとは?オフィス+ホームを併用するメリットで解説しています。
PreBeau Oral Careのオフィスホワイトニング
PreBeau Oral Careでは、オフィスホワイトニングとしてJola Officeを採用しています。
当院で使用するJola Officeは、35%過酸化水素と専用パウダーを使用時に混合して使用するシステムです。
Jola Officeについて詳しくは、Jola Officeとは?35%過酸化水素を使用するオフィスホワイトニングを歯科医師が解説をご覧ください。
また、患者さんの歯の状態や過去の知覚過敏経験などによっては、Opalescence Boostを別の選択肢として検討することがあります。
薬剤の使い分けについては、Jola OfficeとオパールエッセンスBoostの違い|当院が使い分ける理由で詳しく説明しています。
PreBeau Oral Careのホームホワイトニング
自宅でじっくりホワイトニングしたい場合には、ホームホワイトニングという方法もあります。
PreBeau Oral Careでは、ブラジル発のAngelus Homeを採用しています。
ホームホワイトニングについて詳しくは、歯医者のホームホワイトニングとは?効果・期間・使い方を歯科医師が解説をご覧ください。
ホワイトスポットがある場合は?
歯に白い斑点、いわゆるホワイトスポットがある場合には、
クリーニングかホワイトニングか
だけでは解決しないことがあります。
ホワイトスポットは周囲の天然歯より白く見えているため、歯全体をホワイトニングしたときに色のコントラストが変化することがあります。
また施術直後の一時的な脱水によって、白斑が強調されて見えることもあります。
PreBeau Oral Careでは、ホワイトニングに加えて、削らないホワイトスポット治療**Icon(アイコン)**にも対応しています。
詳しくは、ホワイトニングで白い斑点が目立つ?ホワイトスポットとホワイトニングの関係をご覧ください。
PreBeau Oral Careでは「まず歯を健康できれいな状態へ」を大切にします
PreBeau Oral Careは、単に歯を白くするだけの場所ではありません。
当院では、
予防と美容を一緒に考える
ことを大切にしています。
そのため、
「ホワイトニングしたい」
という患者さんでも、まず歯の状態を確認します。
必要であれば、
クリーニング
↓
ホワイトニング
↓
メインテナンス
という流れで、口元全体を管理していきます。
ホワイトニングでは、
- Jola Officeによるオフィスホワイトニング
- Angelus Homeによるホームホワイトニング
- オフィス+ホームのプレミアムホワイトニング
- 歯の状態や知覚過敏を考慮した別の選択肢
をご用意しています。
詳しい施術内容・料金については、東京・赤坂のPreBeau Oral Care|オフィス・ホーム・プレミアムホワイトニングをご覧ください。
よくある質問
Q. クリーニングだけで歯は白くなりますか?
表面にステインが付着している場合は、それを除去することで本来の歯の色が見え、白くなったように感じることがあります。
ただし、天然歯そのものを本来の色より明るくすることを目的とする処置ではありません。
Q. ホワイトニングとクリーニング、どっちを先にすればいい?
プラーク、歯石、ステインなどがある場合には、必要なクリーニングを先に行い、その後ホワイトニングを検討するのが合理的です。
ただし全員に同じ順番・回数が必要なわけではありません。
Q. エアフローをすればホワイトニングしなくても白くなる?
表面ステインが原因なら、エアポリッシングなどで見た目が改善することがあります。
天然歯そのものの色をさらに明るくしたい場合には、ホワイトニングを検討します。
Q. ホワイトニングしたらクリーニングは必要なくなる?
いいえ。
ホワイトニングはプラークや歯石を除去する治療ではありません。
口腔内の健康管理のためのクリーニングは別に考える必要があります。
Q. 茶渋を取りたいだけならホワイトニングは必要?
表面の茶渋・ステインであれば、クリーニングだけで改善できる可能性があります。
Q. セラミックもホワイトニングで白くできますか?
一般的な歯科ホワイトニングでは、セラミックなどの修復物そのものを天然歯と同様に白くすることはできません。
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参考文献・情報源
歯の着色・クリーニング・ホワイトニングの違い
American Dental Association(ADA)|Whitening
米国歯科医師会による歯のホワイトニングに関する総合的な解説です。歯の変色を外因性・内因性に分類し、外因性ステインの機械的除去と過酸化物を用いた漂白の違い、人工修復物への作用などを解説しています。
プロフェッショナル・メカニカル・プラーク・リムーバル(PMPR)
歯肉炎患者に対する専門的機械的プラーク除去について検討したシステマティックレビュー・メタ解析です。口腔衛生指導とPMPRを組み合わせることによる効果などが評価されています。
PMPRと歯周疾患予防
成人の歯周疾患予防における専門的機械的プラーク除去を評価したシステマティックレビューです。
執筆・監修
毛利 国安(Kuniyasu Mori)
歯科医師 / PreBeau Oral Care 院長
大阪大学歯学部卒業。国内外で歯科医学・臨床研修を経験し、現在は東京・赤坂のPreBeau Oral Care院長として、予防と審美を組み合わせた歯科医療を行っています。
詳しい経歴・資格については、PreBeau Oral Care院長・歯科医師 毛利国安の経歴・プロフィールをご覧ください。
※本記事は一般的な歯科医学情報の提供を目的としています。歯の着色原因やホワイトニングの適応は患者さんによって異なります。実際の施術については歯科医師による診察を受けてください。