マウスガードが必要なスポーツは?義務化・推奨される競技とマウスピースのルールを解説
Last Updated on 3 days ago by prebeau
「マウスガードはどのスポーツで必要?」
「試合で装着が義務になっている競技は?」
「サッカーやバスケットボールでもマウスピースをした方がいい?」
スポーツ用マウスガードについて調べていると、**「義務」「推奨」「必要」**という言葉が混在していて、分かりにくいことがあります。
まず知っておきたいのは、
競技規則として装着が必要かどうかと、歯科的に装着が推奨されるかどうかは別の話
ということです。
例えば、アメリカンフットボールやボクシング、ラクロスのように競技規則上マウスガードが必要になる競技があります。
一方、ラグビーのように国際競技規則では装着が推奨されている競技もあります。
さらに、バスケットボール、サッカー、野球など、競技規則で全選手に一律装着が求められていなくても、歯や口に衝撃を受ける可能性があるスポーツは少なくありません。
この記事では、東京・赤坂のPreBeau Oral Care院長・歯科医師の毛利国安が、スポーツマウスガードが必要とされる代表的な競技と、装着を考えた方がよいスポーツについて解説します。
マウスガードが「必要」には3つの意味がある
スポーツマウスガードを考えるときは、まず次の3つを分けて考えると分かりやすくなります。
1.競技規則で装着が必要
その競技・大会に出場するために、マウスガードの着用が求められているケースです。
規則を満たさなければ、試合への出場やプレーに影響する可能性があります。
2.競技団体が装着を推奨
一律の装着義務ではないものの、安全性の観点から競技団体などが使用を推奨しているケースです。
3.規則上の義務はなくても歯科的に使用を検討した方がよい
ボール、肘、選手同士の接触、転倒などによって歯や口を負傷する可能性があるスポーツです。
つまり、
「マウスガードが義務ではない=歯をケガする危険がない」ではありません。
マウスガードが必要となる代表的なスポーツ
競技規則は団体、年齢、カテゴリー、大会によって異なります。
ここでは2026年9月時点で確認できる代表例を紹介します。
アメリカンフットボール|マウスピースは必要な装具
アメリカンフットボールは、マウスガードの装着が重要な代表的スポーツです。
日本アメリカンフットボール協会(JAFA)は、現在2026〜27年度版アメリカンフットボール公式規則を掲載しています。
アメリカンフットボールでは、マウスピースは必要な装具のひとつとして扱われています。
さらに規則では、単に口に入れていればよいのではなく、
- 口腔内に入れる
- 見た目に分かりやすい色である
- 白色・透明ではない
- 上顎歯を覆う
などの条件があります。
そのため、
歯科医院でオーダーメイドマウスガードを作ったとしても、競技規則を満たしていなければ試合用として適切とは限りません。
アメフト用を作る場合は、所属チームや大会の最新規則を先に確認してください。
大学ラグビー・アメフト・ラクロスについては、こちらで詳しく解説しています。
→ ラグビー・アメフト・ラクロスのマウスガード|大学スポーツで使うマウスピースの選び方
ボクシング|歯にしっかり合ったマウスピースが必要
ボクシングもマウスガードが重要な競技です。
日本ボクシング連盟の2026年4月改訂規則では、競技者について、歯にしっかりと適合したマウスピースの使用が規定されています。
特に格闘技では、パンチなどによって顔面や顎へ直接的な衝撃が加わる可能性があります。
そのため、
「口に入れば何でもよい」
という考え方ではなく、
- 歯列への適合
- 保持力
- 必要な厚み
- 呼吸のしやすさ
- 競技規則への適合
を確認することが重要です。
ボクシング・キックボクシング・空手・MMAなどの格闘技についてはこちらをご覧ください。
→ ボクシング・キックボクシング・空手・MMAのマウスガード|格闘技用マウスピースの選び方
ラクロス|男子・女子ともマウスガードの規定がある
ラクロスもマウスガードの必要性が高いスポーツです。
World Lacrosseの現行国際競技規則では、男子・女子のフィールドラクロスでマウスガードについて規定されています。
女子の2025–2026フィールド競技規則では、ゴールキーパーを含む選手について、上顎歯を覆う口腔内マウスガードを正しく装着することが求められています。
男子の2025–2027フィールド競技規則でも、マウスガードは必要な装具として扱われています。
ラクロスでは、
- ボール
- クロス
- 選手同士の接触
- 転倒
などによって口腔周囲へ衝撃が加わる可能性があります。
ただし、日本国内では国内競技団体や大会の規定が適用される場合があります。
実際に試合で使う場合は、所属チーム・大会の最新ルールを確認してください。
ラグビーはマウスガードが「義務」なの?
ここは検索でも誤解されやすいポイントです。
World Rugbyの競技規則では、マウスガードまたはデンタルプロテクターの使用が認められており、すべての選手にマウスガードの装着を推奨しています。
したがって、
「World Rugbyのルールでは全選手が一律に装着義務」
と表現するのは正確ではありません。
一方、ラグビーは、
- タックル
- ラック
- モール
- スクラム
- 転倒
- 選手同士の接触
などがあるコンタクトスポーツです。
競技規則上の「義務」とは別に、歯や口腔を守る観点からマウスガードの使用を検討する意義は大きいと考えられます。
また、年齢、学校、リーグ、大会などで独自の装着規定が設けられていることもあるため、実際の参加ルールを確認してください。
「義務ではないスポーツ」ならマウスガードはいらない?
いいえ。
ここがこの記事で最も重要なポイントです。
American Dental Association(ADA)は、マウスガードについて、歯の外傷や口腔・顎顔面外傷のリスクがあるスポーツやレクリエーションで、適切にフィットしたマウスガードを使用することを推奨しています。
対象として挙げられているのは、アメフト、ボクシング、ラクロス、ラグビーなどのコンタクトスポーツだけではありません。
例えば、
- バスケットボール
- サッカー
- 野球
- ソフトボール
- バレーボール
- ハンドボール
- 水球
- アイスホッケー
- フィールドホッケー
- スキー
- スケート
- スケートボード
- 自転車競技
- 体操
- 馬術
なども含まれます。
つまり、マウスガードを考える基準は、
「相手と激しくぶつかる競技かどうか」だけではありません。
バスケットボールでも歯をケガすることがある
バスケットボールは、一般的にはボクシングやアメフトほど「マウスガード」というイメージが強くないかもしれません。
しかし実際のプレーでは、
- 相手選手の肘
- 頭部同士の接触
- ボール
- 転倒
- ゴール下での接触
などによって歯や口を負傷する可能性があります。
ADAが紹介している大学バスケットボール選手を対象とした研究でも、マウスガード装着と歯の外傷発生率との関連が報告されています。
したがって、
装着義務がないからマウスガードの意味がない、というわけではありません。
サッカーでもマウスガードは必要?
サッカーでも、
- 他の選手との接触
- ヘディング時の衝突
- 相手の肘
- ボール
- 転倒
などによって口元へ衝撃を受ける可能性があります。
すべての選手に一律のマウスガード装着が必要な競技ではありませんが、歯の外傷リスクを考えて使用を検討する選手もいます。
特に、
- 過去に前歯をぶつけたことがある
- 前歯が前方へ出ている
- セラミックなどの補綴物がある
- 歯の外傷をできるだけ避けたい
といった場合には、歯科医師に相談する選択肢があります。
野球でも歯を守る必要はある?
野球も基本的には非コンタクトスポーツですが、
- ボール
- バット
- 他の選手との衝突
- スライディング
- 守備時の接触
などによって顔面を負傷する可能性があります。
特に硬いボールが高速で飛んでくる競技であるため、
「コンタクトスポーツではないから口のケガは起きない」
とは言えません。
野球・サッカー・バスケットボールについては、次の記事で競技別にさらに詳しく解説します。
マウスガードを特に検討したい人
競技種目だけでなく、口の状態によっても外傷リスクは変わります。
例えば、次のような方はスポーツマウスガードについて歯科医師へ相談してもよいでしょう。
前歯が前に出ている
上顎前歯が前方へ突出している場合、転倒や接触時に前歯へ直接衝撃を受ける可能性があります。
前歯にセラミックなどの被せ物がある
天然歯だけでなく、クラウンなどの補綴物が入っている場合も、競技内容や口腔内の状態を確認したうえでマウスガードを検討します。
過去にスポーツで歯を負傷したことがある
以前に歯をぶつけた経験がある場合は、競技復帰前に現在の歯の状態を確認することも重要です。
矯正治療中
ワイヤー矯正など固定式矯正装置を装着している場合、衝撃によって装置と口唇・頬粘膜が接触する可能性があります。
また、矯正中は歯が動くため、通常のマウスガードとは異なる配慮が必要になることがあります。
必ず矯正担当医や歯科医師へ相談してください。
市販のマウスガードでも競技規則を満たせば使える?
市販品だから使用できない、オーダーメイドだから必ず使用できる、という単純な話ではありません。
競技で最優先されるのは、その大会の規則を満たしていることです。
市販品でも競技規則を満たし、適切にフィットしていれば使用できる場合があります。
一方、歯科医院で作るオーダーメイドマウスガードでは、
- 個々の歯列への適合
- 保持力
- 必要な部分の厚み
- 噛み合わせ
- 歯ぐきや粘膜への当たり
- 被せ物などの歯科治療
- 矯正装置
- 競技特性
などを確認しながら製作できます。
詳しい違いはこちらの記事をご覧ください。
→ スポーツマウスガードは市販と歯科のオーダーメイドで何が違う?マウスピースの選び方を歯科医師が解説
マウスガード選びは「義務かどうか」だけで決めない
マウスガードを使用するか考えるとき、
「ルールで義務になっているか」
はもちろん重要です。
しかし歯科的には、
そのスポーツで口元にどのような衝撃が起こり得るか
を考えることも大切です。
例えば、
- 選手同士が接触する
- 硬いボールが高速で飛んでくる
- スティックやクロスを使用する
- 転倒する可能性が高い
- 顔面への打撃がある
といった競技では、歯や口腔周囲を負傷する可能性があります。
競技ルール上マウスガードが必須でなくても、必要に応じて装着を検討できます。
マウスガードにはどんな効果がある?
スポーツマウスガードの主な目的は、スポーツ時の衝撃による歯・口腔周囲の外傷リスクを減らすことです。
ADAは、適切にフィットしたマウスガードについて、
- 歯の外傷
- 口唇や頬など軟組織の外傷
- 口腔・顎顔面外傷
の発生や重症度を減らす目的での使用を推奨しています。
一方で注意したいのが脳震盪です。
マウスガードをすれば脳震盪も防げる?
「マウスガードをすると脳震盪を防げる」
と断定することは適切ではありません。
歯や口腔外傷のリスク低減に関する研究と比較すると、脳震盪予防についてのエビデンスは一貫していません。
そのため、マウスガードを、
「つけていれば頭部外傷を防げる」
と考えるのではなく、スポーツ時に歯や口腔を守るための防具のひとつとして考えることが大切です。
ヘルメットなど、競技で必要とされるその他の安全装備の代わりになるものでもありません。
「ルールを満たすマウスガード」と「自分に合うマウスガード」は両方重要
試合用のマウスガードには、2つの条件があります。
1.競技規則を満たしていること
そして、
2.自分の口に適合していること
です。
例えばアメリカンフットボールでは色などの規定があります。
一方で、規則を満たしていたとしても、
- 口を開けるたびに落ちる
- 常に噛んでいないと保持できない
- 歯ぐきが痛い
- 呼吸しづらい
- 吐き気がする
という状態では、競技中に使用しづらくなります。
試合の前日に初めて装着するのではなく、事前に練習でも使用し、フィットや呼吸のしやすさを確認しておくことをおすすめします。
競技規則は必ず最新情報を確認する
スポーツの競技規則は変更されます。
そのため、
「去年の先輩が使っていたから大丈夫」
「ネットにこの色でいいと書いてあった」
だけで判断しないことが大切です。
特に試合用マウスガードを製作する場合には、
- 競技名
- 所属団体
- 年齢カテゴリー
- 大会名
- マウスガードの色
- 形状
- 矯正装置の有無
などを確認してください。
歯科医院で製作する場合も、大会独自の規則がある場合は事前にその内容を歯科医師へ伝えてください。
東京・赤坂でスポーツマウスガードを検討している方へ
PreBeau Oral Careでは、各種スポーツに使用する歯科医院製作のオーダーメイド・スポーツマウスガードに対応しています。
製作時には、
- 競技種目
- 歯並び
- 噛み合わせ
- 歯や歯ぐきの状態
- 被せ物などの歯科治療
- 使用目的
- フィット
- 呼吸や会話のしやすさ
などを確認します。
競技によってルールが異なるため、大会で使用する場合は所属団体・大会の最新規則をご確認のうえご相談ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→ 東京・赤坂のオーダーメイド・スポーツマウスガード|PreBeau Oral Care
・単一層(単色)16,500円
・単一層マーブル・デザイン性 22,000円
・競技用オーダーメイド 38,500円(税込・自由診療)
よくある質問
Q. マウスガードが義務になっているスポーツは何ですか?
競技団体や大会によって異なります。代表例として、日本のアメリカンフットボールではマウスピースが必要な装具として規定され、日本ボクシング連盟の競技規則でも適合したマウスピースの使用が求められています。World Lacrosseの現行フィールド競技規則でもマウスガードについて規定があります。必ず所属団体・大会の最新規則を確認してください。
Q. ラグビーはマウスガードが義務ですか?
World Rugbyの競技規則では、すべての選手へのマウスガードまたはデンタルプロテクターの装着を推奨しています。一律の世界共通義務と表現するのは正確ではありませんが、リーグ、学校、年齢、大会などで独自の規定がある場合があります。
Q. サッカーでもマウスガードをした方がいいですか?
すべての選手に一律装着が必要なわけではありませんが、選手同士の接触、肘、ボール、転倒などで歯や口を負傷する可能性があります。競技レベルや口腔内の状態によって使用を検討できます。
Q. バスケットボールにもマウスガードは必要ですか?
競技規則上の一律装着義務とは別に、バスケットボールでも肘や選手同士の接触などによる歯の外傷は起こり得ます。ADAもマウスガードの使用を検討するスポーツのひとつとしてバスケットボールを挙げています。
Q. 市販のマウスガードでも試合に出られますか?
競技・大会の規則を満たしていれば使用できる場合があります。歯科医院のオーダーメイドであっても、競技規則を満たしていなければ試合で使用できない可能性があるため、規則確認が必要です。
Q. 練習だけならマウスガードは必要ありませんか?
歯や口の外傷は試合だけでなく練習中にも起こり得ます。特にコンタクト練習やスパーリングなどでは、練習時から適切なマウスガードを使用することを検討してください。
Q. マウスガードをつければ脳震盪を防げますか?
歯や口腔外傷のリスク低減については根拠がありますが、脳震盪予防についての研究結果は一貫していません。マウスガードだけで脳震盪を防げるとは考えないことが重要です。
まとめ|「義務のスポーツ」だけがマウスガードを必要とするわけではない
マウスガードについて重要なのは、
「競技規則で義務になっているか」
と、
「歯や口を守るために使用を検討する価値があるか」
を分けて考えることです。
アメリカンフットボール、ボクシング、ラクロスなど、競技規則でマウスガードについて明確な規定があるスポーツがあります。
ラグビーのように、国際競技団体が使用を推奨しているスポーツもあります。
そして、サッカー、バスケットボール、野球など、一律の装着義務がなくても歯や口を負傷する可能性がある競技もあります。
マウスガードを選ぶ際には、
- 最新の競技規則
- 競技中の外傷リスク
- 歯並び
- 噛み合わせ
- フィット
- 呼吸のしやすさ
- 歯科治療や矯正装置の有無
まで考えることが大切です。
市販品と歯科医院製作の違いについてはこちらをご覧ください。
→ スポーツマウスガードは市販と歯科のオーダーメイドで何が違う?
大学ラグビー・アメフト・ラクロスについてはこちらです。
→ ラグビー・アメフト・ラクロスのマウスガード|大学スポーツで使うマウスピースの選び方
格闘技についてはこちらです。
→ ボクシング・キックボクシング・空手・MMAのマウスガード|格闘技用マウスピースの選び方
スポーツマウスガードの製作についてはこちらをご覧ください。
→ PreBeau Oral Care|オーダーメイド・スポーツマウスガード
執筆・監修:歯科医師 毛利 国安
PreBeau Oral Care 院長
院長プロフィール・経歴
参考情報
- American Dental Association:Athletic Mouth Protectors (Mouthguards)
- 日本アメリカンフットボール協会:2026〜27年度版アメリカンフットボール公式規則
- 日本ボクシング連盟:2026年4月改訂競技規則
- World Rugby:Laws of the Game, Law 4 – Permitted clothing
- World Lacrosse:2025–2026 Women’s Field Rules
- World Lacrosse:2025–2027 Men’s Field Rules