野球・サッカー・バスケでもマウスガードは必要?球技で歯を守るスポーツ用マウスピース
Last Updated on 3 days ago by prebeau
野球・サッカー・バスケでもマウスガードは必要?球技用マウスピースを解説
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野球・サッカー・バスケットボールでもマウスガードは必要?ボールや選手同士の接触による歯の外傷リスク、装着を検討したい人、オーダーメイドマウスピースの選び方を歯科医師が解説します。
「マウスガードはボクシングやラグビーをする人が使うものでは?」
「サッカーでもマウスピースをつけた方がいい?」
「バスケで前歯をぶつけたことがあるけれど、マウスガードは必要?」
「野球はコンタクトスポーツではないから必要ない?」
このように考えている方も多いと思います。
確かに、野球・サッカー・バスケットボールでは、ボクシングやアメリカンフットボールのように「マウスガードを装着している」というイメージは強くありません。
しかし、マウスガードの必要性は「格闘技かどうか」だけで決まるものではありません。
球技でも、
- ボールが顔に当たる
- 相手選手の肘や頭と接触する
- 転倒する
- 他の選手と衝突する
- バットなどの用具が顔面に当たる
ことで、前歯や口の中を負傷することがあります。
この記事では、東京・赤坂のPreBeau Oral Care院長・歯科医師の毛利国安が、野球・サッカー・バスケットボールでスポーツマウスガードを使用する意味と、どのような方が装着を検討した方がよいかを解説します。
野球・サッカー・バスケでも歯のケガは起こる
スポーツ中の歯の外傷というと、
- ボクシング
- ラグビー
- アメリカンフットボール
- MMA
などを想像するかもしれません。
しかし、実際にはコンタクトスポーツ以外でも歯の外傷は起こります。
2024年に発表されたシステマティックレビューでは、成人アスリートにおける歯の外傷について、コンタクトスポーツだけでなく、非コンタクトスポーツでも歯の外傷が認められることが報告されています。
つまり、
「相手と直接殴り合う競技ではない=歯の外傷リスクがない」
とは言えません。
スポーツマウスガードを考えるときには、その競技でどのように顔や口へ衝撃が加わる可能性があるかを考えることが重要です。
バスケットボール|実は歯の外傷に注意したいスポーツ
バスケットボールではマウスガードのイメージがあまり強くないかもしれません。
しかし試合や練習では、
- リバウンド時に相手の肘が口元に当たる
- ディフェンス時に頭同士がぶつかる
- ゴール下で他の選手と衝突する
- ボールが顔面に当たる
- バランスを崩して転倒する
といったことが起こります。
そのため、前歯や唇を負傷する可能性があります。
大学バスケではマウスガード装着者の歯の外傷が少なかったという研究もある
男子大学バスケットボール選手を対象とした研究では、約7万回の選手曝露を調査し、カスタムマウスガード使用者と非使用者を比較しています。
その結果、歯の外傷発生率は、
マウスガード使用者:0.12/1,000 athlete exposures
非使用者:0.67/1,000 athlete exposures
で、カスタムマウスガード使用者の方が有意に低かったと報告されています。
参考:
PubMed|Effect of mouthguards on dental injuries and concussions in college basketball
この研究は2002年の報告であり、すべての競技環境にそのまま当てはまるとは限りません。
それでも、
バスケットボールでも歯の外傷が起こり得ること、そしてマウスガードがそのリスク低減に役立つ可能性があること
を考えるうえで参考になります。
バスケットボールはマウスガードが義務なの?
すべてのバスケットボール選手について、世界共通でマウスガード装着が一律に義務化されているわけではありません。
そのため、
「ルールで必要ないなら、つけなくていい」
と思われることもあります。
しかし、
競技規則上の義務と、歯科的に使用を検討する価値があるかどうかは別です。
American Dental Association(ADA)は、スポーツ時の歯や口腔外傷のリスクを減らす目的で、適切にフィットしたマウスガードの使用を推奨しており、バスケットボールも対象競技のひとつとして挙げています。
参考:
American Dental Association|Athletic Mouth Protectors
サッカー|選手同士の接触や肘で前歯をぶつけることがある
サッカーも、一般的には「マウスガードをつけるスポーツ」というイメージは強くありません。
しかし、サッカーでは、
- ヘディング時の競り合い
- 相手選手の肘
- 頭部同士の接触
- キーパーとの衝突
- ボール
- 転倒
などによって顔や口へ衝撃が加わることがあります。
特にヘディングの競り合いでは、ボールを見るために上を向いている状態で他の選手と接触することがあります。
その結果、
- 前歯が欠ける
- 歯が動く
- 唇を切る
- 歯ぐきを傷つける
といった外傷につながる可能性があります。
サッカーでマウスガードを検討したいのはどんな人?
すべてのサッカー選手が必ず使用しなければならないという意味ではありません。
ただし、次のような方は使用を検討してもよいでしょう。
過去に前歯をぶつけたことがある
一度外傷を受けた歯は、状態によっては再度の衝撃に注意が必要な場合があります。
競技復帰前には、歯根や歯を支える組織の状態を歯科医院で確認することも重要です。
前歯が前方へ出ている
上の前歯が前方へ突出している場合、転倒や接触時に前歯へ直接衝撃が加わりやすくなる可能性があります。
競技中の外傷が心配な場合には、マウスガードについて歯科医師へ相談できます。
前歯にセラミックなどが入っている
クラウンや大きな修復物が入っているからといって、必ずマウスガードが必要というわけではありません。
ただし、スポーツ中に前歯へ衝撃を受ける可能性が高い場合は、現在の口腔内の状態を確認したうえでマウスガードの使用を検討できます。
野球|コンタクトスポーツではなくても高速のボールが飛んでくる
野球は、選手同士が常に接触するスポーツではありません。
しかし、
硬いボールが高速で飛んでくる
という特徴があります。
顔面への外傷が起きる場面として、
- 打球が顔に当たる
- 送球が顔に当たる
- 投球が顔面方向へ来る
- フライ捕球時に選手同士が衝突する
- スライディング時に接触する
- バットが予期せず顔面付近に来る
などが考えられます。
ADAも、マウスガードの使用を検討するスポーツのひとつとして**baseball(野球)**を挙げています。
野球ではヘルメットをしていれば歯も守れる?
ヘルメットやフェイスガードなどは非常に重要な防具です。
しかし、使用する防具やその形状によっては、歯や口腔周囲のすべてを完全に保護できるわけではありません。
マウスガードはヘルメットの代わりではなく、
口腔内から歯や周囲組織を守るための防具
として考えます。
つまり、
- ヘルメット
- フェイスガード
- マウスガード
は、目的が完全に同じではありません。
競技やポジションに応じて必要な防具を組み合わせることが重要です。
野球・サッカー・バスケでマウスガードを使う最大の目的
スポーツマウスガードの目的は、
スポーツ時の衝撃による歯や口腔周囲の外傷リスクを減らすこと
です。
特に守りたいのが前歯です。
スポーツ外傷によって、
- 歯冠破折
- 歯根破折
- 歯の脱臼
- 歯の陥入
- 歯の脱落
- 唇や頬の裂傷
などが起こることがあります。
歯が欠けただけに見えても、内部の神経や歯根まで損傷していることがあります。
また、歯が完全に抜けた場合には緊急対応が必要です。
そのため、外傷が起きてから治療するだけでなく、予防できる部分は事前に対策するという考え方が重要です。
「装着義務がない=必要ない」ではない
野球・サッカー・バスケットボールでは、アメリカンフットボールやボクシングのようにマウスガードが競技装備として強く認識されていないケースがあります。
しかし、2024年のシステマティックレビューでは、コンタクトスポーツでの歯の外傷有病率が11.38%、非コンタクトスポーツでも5.24%と報告されています。
参考:
PubMed|Comparative analysis of dental trauma in contact and non-contact sports
研究の対象や競技条件には違いがあるため、この数字をそのまますべての選手に当てはめることはできません。
それでも、
非コンタクトスポーツでも歯の外傷は起きる
という点は重要です。
子どもの野球・サッカー・バスケでもマウスガードは使える?
使用できますが、成長期では特に注意が必要です。
子どもや中高生は、
- 歯が生え替わっている
- 顎が成長している
- 歯並びが変化している
- 矯正治療中である
ことがあります。
そのため、一度作ったマウスガードを長期間そのまま使えるとは限りません。
特に、
永久歯が生えてくる時期や矯正中では、適合を定期的に確認する必要があります。
成長期のスポーツ選手では、現在の歯列だけでなく、今後の変化も考えながら使用することが大切です。
矯正中にサッカーやバスケをするときは?
ワイヤー矯正中は、選手同士の接触によって、
矯正装置と唇・頬の内側がぶつかる
ことがあります。
また、矯正治療では歯が移動するため、歯列にぴったり作った通常のマウスガードでは、時間の経過とともに合わなくなる可能性があります。
そのため、
- 現在の矯正装置
- 歯の移動予定
- 競技内容
- 接触の程度
を考慮する必要があります。
自己判断で無理に市販マウスガードを装着するのではなく、矯正担当医や歯科医師へ相談してください。
市販のマウスガードでもいい?
市販のスポーツマウスガードにも、
- ストックタイプ
- お湯で成形するボイル・アンド・バイトタイプ
などがあります。
市販品には、価格が比較的安く、すぐに購入できるメリットがあります。
一方、歯科医院で製作するオーダーメイドマウスガードでは、
- 個々の歯並び
- 保持力
- 噛み合わせ
- 厚み
- 歯ぐきへの当たり
- 被せ物
- 矯正装置
- 競技内容
などを確認しながら製作できます。
大切なのは、
「オーダーメイドだから必ずよい」「市販だから意味がない」
と単純に考えないことです。
競技規則を満たし、適切にフィットし、実際に継続して使用できることが重要です。
市販品とオーダーメイドの違いについてはこちらで詳しく解説しています。
→ スポーツマウスガードは市販と歯科のオーダーメイドで何が違う?マウスピースの選び方を歯科医師が解説
球技では呼吸・会話しやすいマウスガードも重要
野球・サッカー・バスケットボールでは、試合中のコミュニケーションも重要です。
特にサッカーやバスケットボールでは、
- 味方への声かけ
- ディフェンスの指示
- セットプレーの確認
などがあります。
フィットの悪いマウスガードでは、
- 口を開けると落ちる
- 常に噛んでいないと保持できない
- 話しにくい
- 呼吸しにくい
と感じることがあります。
適切にフィットしたマウスガードは、強く噛み続けなくても一定の保持が得られることが重要です。
マウスガードをするとスポーツパフォーマンスが落ちる?
「マウスピースをつけると呼吸しづらくなってパフォーマンスが落ちるのでは?」
と心配する方もいます。
マウスガードと運動パフォーマンスについては複数の研究がありますが、研究方法や評価項目にばらつきがあります。
2018年のシステマティックレビューでは、カスタムメイドマウスガードについて、スポーツパフォーマンスを明確に低下させる証拠は認められなかったとされています。
参考:
PubMed|Is there enough evidence that mouthguards do not affect athletic performance?
一方、
「マウスガードを装着すると必ず運動能力が上がる」
と断定することも適切ではありません。
スポーツマウスガードは、まず歯や口腔を守るための防具として考えることが大切です。
マウスガードで脳震盪も予防できる?
この点も慎重に考える必要があります。
マウスガードによる歯・口腔外傷のリスク低減については多くの研究があります。
一方で、脳震盪予防についての研究結果は一貫していません。
先ほど紹介した大学バスケットボール選手の研究でも、カスタムマウスガード使用者では歯の外傷が少なかった一方、脳震盪発生率には有意差が認められませんでした。
したがって、
「マウスガードをすれば脳震盪を防げる」
と考えるべきではありません。
こんな球技選手はマウスガードを検討してみてもよい
野球・サッカー・バスケをしているすべての方に一律で必要という意味ではありません。
一方、次のような方は歯科医院で相談する価値があります。
- 過去にスポーツで前歯を負傷した
- 前歯が前方へ出ている
- 接触の多いポジションでプレーしている
- 前歯に被せ物や大きな修復物がある
- 歯の外傷に対する不安が強い
- 矯正治療中である
- 練習や試合で口元をぶつけることが多い
マウスガードが必要かどうかは、競技名だけでなく、その人の口腔内と競技環境を合わせて判断することが重要です。
試合だけでなく練習でも使う
歯の外傷は試合だけで起きるわけではありません。
むしろ、
- 普段の練習
- 紅白戦
- 1対1
- 守備練習
- シュート練習
- バッティング・守備練習
などでも起こる可能性があります。
マウスガードを使用することを決めた場合には、試合当日だけではなく、実際に接触やボールによる外傷リスクがある練習から使用することを検討してください。
また、試合当日に初めて装着するのではなく、事前に練習で使用し、
- 外れないか
- 痛くないか
- 呼吸できるか
- 声を出せるか
- 吐き気がないか
を確認しておくことも大切です。
東京・赤坂で野球・サッカー・バスケ用マウスガードを検討している方へ
PreBeau Oral Careでは、野球・サッカー・バスケットボールをはじめ、各種スポーツに対応した歯科医院製作のオーダーメイド・スポーツマウスガードを製作しています。
製作時には、
- 競技種目
- ポジション
- 歯並び
- 噛み合わせ
- 歯や歯ぐきの状態
- 被せ物などの歯科治療
- 矯正治療の有無
- フィット
- 呼吸や会話のしやすさ
などを確認します。
詳しくはこちらをご覧ください。
→ 東京・赤坂のオーダーメイド・スポーツマウスガード|PreBeau Oral Care
・単一層(単色)16,500円
・単一層マーブル・デザイン性 22,000円
・競技用オーダーメイド 38,500円(税込・自由診療)
競技大会で使用する場合は、所属団体や大会独自の規定がないか事前にご確認ください。
よくある質問
Q. サッカーでもマウスガードは必要ですか?
すべてのサッカー選手に一律で必要というわけではありません。しかし、選手同士の接触、肘、頭部同士の衝突、ボール、転倒などによって歯や口を負傷する可能性があります。過去に前歯を負傷した方や口腔外傷が心配な方は使用を検討できます。
Q. バスケでマウスピースをする意味はありますか?
バスケットボールでも歯の外傷は起こります。大学バスケットボール選手を対象とした研究では、カスタムマウスガード使用者で歯の外傷発生率が低かったことが報告されています。
Q. 野球でもマウスガードを使いますか?
野球は常に選手同士が接触する競技ではありませんが、高速のボール、バット、選手同士の衝突などによる顔面外傷の可能性があります。ADAもマウスガードの使用を検討するスポーツとして野球を挙げています。
Q. 子どものサッカーや野球でも作れますか?
作製できる場合があります。ただし、成長期は歯の生え替わりや顎の成長によって適合が変化します。定期的な確認や作り替えが必要になることがあります。
Q. 矯正中でもマウスガードを使えますか?
使用できる場合がありますが、矯正装置や歯の移動を考慮した設計が必要になることがあります。矯正担当医とマウスガードを製作する歯科医師へ相談してください。
Q. マウスガードをすると呼吸しにくくなりませんか?
フィットが悪かったり必要以上に大きかったりすると、呼吸や会話に影響する場合があります。適切にフィットし、強く噛み続けなくても保持できることが重要です。
Q. マウスガードで脳震盪を予防できますか?
歯や口腔外傷のリスク低減については根拠がありますが、脳震盪予防についての研究結果は一貫していません。マウスガードだけで脳震盪を防げるとは考えないことが重要です。
まとめ|球技でも歯の外傷は起こる。義務の有無だけで判断しない
野球・サッカー・バスケットボールは、ボクシングやアメリカンフットボールほどマウスガードのイメージが強くありません。
しかし、
「マウスガードが義務ではない=歯をケガしない」
ということではありません。
バスケットボールでは選手同士の接触や肘、サッカーでは競り合いや転倒、野球では高速のボールやバットなどによって、歯や口を負傷する可能性があります。
マウスガードを検討するときには、
- 競技中の外傷リスク
- ポジション
- 過去の歯の外傷
- 歯並び
- 被せ物などの歯科治療
- 矯正治療
- フィット
- 呼吸・会話のしやすさ
まで考えることが大切です。
どのスポーツでマウスガードが義務・推奨されているかについてはこちらをご覧ください。
→ マウスガードが必要なスポーツは?義務化・推奨される競技とマウスピースのルールを解説
市販品と歯科医院製作の違いはこちらです。
→ スポーツマウスガードは市販と歯科のオーダーメイドで何が違う?
スポーツマウスガードの製作についてはこちらをご覧ください。
→ PreBeau Oral Care|オーダーメイド・スポーツマウスガード
執筆・監修:歯科医師 毛利 国安
PreBeau Oral Care 院長
院長プロフィール・経歴
参考情報・文献
- American Dental Association|Athletic Mouth Protectors (Mouthguards)
- PubMed|Effect of mouthguards on dental injuries and concussions in college basketball
- PubMed|Comparative analysis of dental trauma in contact and non-contact sports: A systematic review
- PubMed|The incidence and severity of dental trauma in intercollegiate athletes
- PubMed|Is there enough evidence that mouthguards do not affect athletic performance?
- PubMed|Effectiveness of Mouthguards for the Prevention of Orofacial Injuries and Concussions in Sports