大人のプレオルソはいつ・何時間つける?就寝時の使い方と装着期間
Last Updated on 1 week ago by prebeau
「大人のプレオルソは1日何時間つければいい?」
「寝るときだけでいい?」
「昼間もつけたほうが効果が高い?」
「毎日使わないと意味がない?」
「いつまで続けるの?」
大人のプレオルソ(プレオルソ ユーティリティ)を検討するとき、よく聞かれるのが装着時間についてです。
先に結論からお伝えすると、
PreBeau Oral Careでは、基本的には就寝時の装着を中心に考えます。
つまり、
寝る前に装着し、起床時に外す
という使い方が基本です。
ただし、
- 歯ぎしり・食いしばりから歯を守りたい
- セラミックを保護したい
- インプラントへの負担を管理したい
- 顎関節への負担を考えたい
- 矯正治療後の保定として使いたい
- 日中のTCH(上下歯列接触癖)が気になる
など、使用する目的は患者さんによって異なります。
そのため、
「全員が必ず1日○時間」
と一律に決める装置ではありません。
この記事では、
- 大人のプレオルソはいつ装着するのか
- 1日何時間必要なのか
- 昼間も装着したほうがよいのか
- 毎日使う必要があるのか
- いつまで続けるのか
- 途中で外れてしまった場合
- 痛い・きつい場合
- お手入れ方法
- 定期的な調整が必要な理由
について歯科医師が解説します。
大人のプレオルソはいつ装着する?
基本は、
就寝時です。
メーカーであるフォレスト・ワンも、プレオルソ ユーティリティについて、
歯ぎしりやクレンチングによる補綴物・インプラント・顎関節への負担を考える場合、睡眠時に装着する歯科用咬合スプリントとして案内しています。
つまり、
日中ずっと装着することを前提とした装置ではありません。
何時間つければいい?
「8時間です」
「最低6時間です」
というような、すべての患者さんに共通する医学的な必要時間が決められているわけではありません。
基本的には、
自分が眠っている時間に装着する
と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、
23時に寝て6時に起きる方なら、その睡眠時間中。
0時に寝て7時に起きる方なら、その間。
という考え方です。
重要なのは、
「○時間を達成すること」ではなく、何のために装置を使用しているか
です。
寝る直前につければいい?
基本的には、就寝前に装着します。
装着後、
- 強い痛みがない
- 一部だけ強く当たらない
- 装置が浮いていない
- 違和感が許容できる
ことを確認してから就寝します。
初めて使う装置では、多少の異物感を感じることがあります。
しかし、
強い痛みを我慢して一晩中使用する必要はありません。
昼間もつけたほうがいい?
患者さんによって異なります。
PreBeau Oral Careでは、基本的には就寝時を中心とし、必要に応じて日中のリラックスできる時間に短時間装着することをご案内する場合があります。
例えば、
- 自宅でテレビを見ている
- 読書している
- デスクワーク後にリラックスしている
といった時間です。
目安として1時間程度を案内する場合がありますが、
すべての患者さんに必須という意味ではありません。
「日中1時間+寝るとき」は子どものプレオルソと同じ?
ここは混同しやすいところです。
小児用プレオルソについて、メーカーは一般的な装着方法として、
日中1時間+就寝時
と案内しています。
しかし、
大人のプレオルソ ユーティリティは、小児用プレオルソとは別の装置です。
大人用は患者さんごとに製作する歯科用咬合スプリントです。
したがって、
「子どもが日中1時間だから、大人も必ず1時間必要」
と考えるものではありません。
長くつければつけるほど効果が高い?
必ずしもそうではありません。
マウスピースや咬合スプリントは、
長時間装着すればするほど良い
というものではありません。
特に日中まで長時間使用する場合には、
- 噛み合わせ
- 顎の位置
- 歯
- 顎関節
- 筋肉
への影響を考える必要があります。
そのため、
自己判断で装着時間をどんどん長くしない
ことが大切です。
24時間つけてもいい?
原則として、自己判断で24時間使用することはおすすめしません。
食事や歯磨きもありますし、プレオルソ ユーティリティは一般的に一日中装着することを目的とした装置ではありません。
装着時間を増やしたい場合には、歯科医師に相談してください。
毎日つけたほうがいい?
歯ぎしり・食いしばりによる歯や補綴物の保護を目的としている場合には、
継続して夜間使用する
ことが基本になります。
例えば、
「今日は歯ぎしりしそうだから使う」
「今日は大丈夫そうだから使わない」
と自分で睡眠時ブラキシズムの有無を予測することは困難です。
歯ぎしり・食いしばりは、自分で気づいていない場合もあります。
毎日使えば歯ぎしりは治る?
ここは非常に重要です。
プレオルソ ユーティリティを毎日使えば、歯ぎしりそのものがなくなるとは限りません。
咬合スプリントは、
- 歯
- セラミック
- 補綴物
- インプラント
などへの直接的な負担を管理する目的で使用することがあります。
つまり、
「歯ぎしりを止める装置」というより、「歯ぎしりがある場合に何を守るかを考える装置」
という理解が大切です。
朝起きたらプレオルソが外れている
使い始めの頃に、
「朝起きたら口から外れていた」
ということが起こる場合があります。
睡眠中は無意識なので、自分で外してしまうこともあります。
1回外れただけで、
「自分には使えない」
と判断する必要はありません。
ただし毎晩のように外れる場合には、
- 適合
- 装着感
- 設計
- 噛み合わせ
などを確認したほうがよい場合があります。
寝ている間に飲み込んでしまわない?
患者さんごとに歯列データを採り、専用技工所で製作するオーダーメイドの装置です。
ただし、どのような口腔内装置でも、
- 大きく破損した
- 亀裂が入った
- 変形した
- 適合しなくなった
状態で使用を続けるのは避けるべきです。
異常があれば使用を中止して歯科医院で確認してください。
最初はきつく感じても大丈夫?
新しい装置では、多少の圧迫感や異物感を感じることがあります。
しかし、
- 特定の歯だけ強く痛い
- 歯が浮くように痛む
- 歯肉に食い込む
- 粘膜に傷ができる
- 顎の痛みが強くなる
といった場合には、
「慣れるまで我慢」ではなく、一度確認すること
をおすすめします。
朝、外したあと噛み合わせが違う感じがする
口腔内装置を使用したあと、
一時的に噛み合わせの感覚がいつもと違うと感じることがあります。
多くの場合、時間とともに元の感覚へ戻ります。
しかし、
- 長時間戻らない
- 日中も噛み合わせがおかしい
- 以前当たっていた歯が当たらない
- 新しく強く当たる歯がある
場合には、装置を確認する必要があります。
自己判断でそのまま使い続けない
ことが重要です。
顎が痛くなったら使い続ける?
強い痛みが出た場合は一度使用を中止し、確認してください。
咬合スプリントは顎関節症で使用されることもありますが、
すべての顎関節症に有効な万能治療ではありません。
また、装置を使用したことで症状が悪化しているのであれば、適合や診断を再評価する必要があります。
歯が痛くなったら?
特定の歯だけが痛む場合には、
- 装置の圧力
- むし歯
- 歯周組織
- 歯根
- 歯の亀裂
- 咬合
など、さまざまな原因が考えられます。
「プレオルソだから多少痛くても大丈夫」と判断せず、確認しましょう。
装置に歯ぎしりの跡がついてきた
長期間使用すると、
- 擦れた跡
- 咬み込んだ跡
- 表面の摩耗
などがみられることがあります。
これは装置に力が加わっていることを考える材料にはなります。
ただし、
傷の深さだけでブラキシズムの重症度を診断することはできません。
穴が開いてきたら交換?
状態によります。
表面の軽い摩耗だけなのか。
深く削れているのか。
亀裂があるのか。
完全に穴が開いているのか。
によって対応が変わります。
破損した装置をそのまま使用せず、一度持参してください。
どのくらいの期間使う?
これも患者さんによって異なります。
例えば、
歯ぎしり・食いしばりから歯を守る場合
ブラキシズムが続いている間は、長期的な保護を考えることがあります。
インプラントやセラミックを守る場合
補綴物は長期間使用するものなので、力のリスクも継続的に評価します。
矯正後の保定
矯正後の保定は長期的に必要になることがあります。
つまり、
「3か月使えば終了」などとすべての患者さんに共通する期間はありません。
一生使うこともある?
患者さんによっては長期間使用することがあります。
例えば、
- 強い歯ぎしりが続く
- セラミックが多い
- インプラントが入っている
- 矯正後の歯列安定を考えたい
場合です。
ただし、
一度作った装置を一生そのまま使う
という意味ではありません。
口の中は時間とともに変わる
歯や噛み合わせは変化します。
例えば、
- 新しい被せ物を入れた
- インプラント治療をした
- 詰め物を交換した
- 歯が移動した
- 矯正治療をした
- 歯を失った
場合には、以前の装置が合わなくなることがあります。
そのため、
定期的に適合を確認する
ことが重要です。
セラミックを新しく入れた後も同じ装置を使える?
必ず確認してください。
クラウンやセラミックを新しく入れると、歯の形がわずかに変わります。
その結果、
- 装置が入らない
- 一部だけ強く当たる
- 浮いてしまう
可能性があります。
無理に押し込まず、新しい口腔状態に合っているか確認します。
インプラント治療後は?
インプラント治療後も同様です。
インプラント上部構造を装着すると、歯列や咬合の状態が変わります。
プレオルソ ユーティリティをインプラント保護の目的で使用する場合には、
最終的な補綴物に適合しているか
が重要です。
矯正後の保定なら装着時間は同じ?
必ずしも同じではありません。
矯正直後の保定には、
- どの歯を動かしたか
- 元の歯並び
- 固定式リテーナーの有無
- 担当矯正医の保定計画
などが関係します。
そのため、
矯正後だからプレオルソだけを夜につければ大丈夫
と自己判断するものではありません。
現在使用しているリテーナーがある場合には、その保定計画をまず確認します。
リテーナーと大人のプレオルソを両方使うこともある?
ケースによっては考えられます。
例えば、
前歯には固定式リテーナーが入っている。
一方で、
睡眠時の歯ぎしりから臼歯やセラミックを守りたい。
という患者さんもいます。
「リテーナーかプレオルソか」という二者択一ではなく、
何を守る必要があるのか
から考えます。
日中の食いしばりにも使える?
日中の食いしばり、いわゆる覚醒時ブラキシズムでは、
装置だけに頼るのではなく、
自分が噛みしめていることに気づくこと
も重要です。
例えば仕事中に、
「今、上下の歯は接触していない?」
と確認します。
必要に応じて、
「歯、離れてる?」
とスマートフォンへリマインダーを設定する方法もあります。
日中の装置使用については患者さんごとに判断します。
大人のプレオルソをつけたまま食事する?
基本的には外します。
プレオルソ ユーティリティは、食事用の装置ではありません。
食事の際には外し、食後に歯磨きなどの口腔ケアを行ってから装着します。
飲み物は?
就寝前に装着した後は、水以外の飲食は避けるほうが管理しやすいでしょう。
糖分や酸を含む飲料が装置と歯の間に長時間残ることは、歯科的に望ましくありません。
朝起きたらどうする?
基本的には、
- 装置を外す
- 流水で汚れを洗い流す
- 歯も清掃する
- 装置を清潔な状態で保管する
という流れです。
PreBeau Oral Careでも、起床後に外して流水で洗浄し、専用ケースで保管する方法をご案内しています。
熱湯で消毒していい?
自己判断で熱湯を使用しないでください。
口腔内装置は材料によって、高温によって変形する可能性があります。
また、
- 強い薬剤
- 漂白剤
- アルコール
- 家庭用洗剤
なども、使用できるかは材料によって異なります。
清掃方法は歯科医院で説明された方法に従ってください。
歯磨き粉でゴシゴシ磨いていい?
歯磨剤の種類によっては研磨剤が含まれています。
装置表面を傷つける可能性があるため、清掃方法については装置を受け取った際の指示に従ってください。
「強く磨けば清潔」というものではありません。
ケースも清潔に
意外と忘れやすいのが保管ケースです。
装置だけをきれいにしても、ケースが汚れていれば衛生的ではありません。
ケースも定期的に清掃し、湿気がこもったまま放置しないようにします。
旅行にも持っていったほうがいい?
普段毎晩使用している場合には、旅行時にも持参することをおすすめします。
特に、
- セラミックが多い
- インプラントがある
- 強い歯ぎしりがある
- 矯正後の保定目的
の場合には、旅行だから長期間休むというより継続して使用するほうがよいケースがあります。
1日忘れたら全部元に戻る?
通常、1回忘れただけで直ちにすべての効果がなくなると考える必要はありません。
ただし、
矯正直後の保定などでは装着状況が非常に重要な場合があります。
何日も使用していなかった後に、
- 入らない
- 強くきつい
- 浮く
場合には、無理に押し込まず相談してください。
「何時間使ったか」より大切なこと
大人のプレオルソでは、
装着時間だけを目標にしないこと
が大切です。
確認したいのは、
- 正しくフィットしているか
- 痛みがないか
- 噛み合わせに問題がないか
- 装置が破損していないか
- 守りたい歯・補綴物を適切にカバーできているか
- 使用目的に合っているか
です。
合っていない装置を、
「8時間つけなければ」
と無理に使い続けるほうが問題です。
定期的な調整・経過観察は必要?
患者さんによって必要です。
最初に装置が合っていても、
- 歯の移動
- 咬合の変化
- 補綴治療
- 装置の摩耗
- 顎の症状
などは時間とともに変化します。
そのため必要に応じて、
装置・歯・顎・噛み合わせを一緒に確認
します。
こんなときは一度装置を持って受診してください
- 装置が入らなくなった
- 急にきつくなった
- 一部だけ強く痛い
- 歯肉や粘膜に傷ができる
- 顎の痛みが悪化した
- 朝の噛み合わせが長時間戻らない
- 装置が大きく摩耗した
- 穴が開いた
- 亀裂が入った
- 新しいセラミックや被せ物を入れた
- インプラント治療をした
- 歯が動いたように感じる
こうした場合には、自己調整せず歯科医院で確認しましょう。
「プレオルソを使えば寝ている間にすべて治る」わけではない
プレオルソ ユーティリティは便利な歯科用咬合スプリントですが、
装着して眠れば、
- 歯ぎしりが必ずなくなる
- 食いしばりが治る
- 顎関節症が治る
- いびきが治る
- 睡眠時無呼吸が治る
- 口呼吸が治る
という装置ではありません。
使用する場合には、
何を目的として装着するのか
を明確にすることが重要です。
PreBeau Oral Careでは「何時間」より「何を守るか」を考えます
例えば、
歯ぎしりが強い
天然歯の摩耗や破折を確認します。
セラミックが多い
チッピングや破折、咬合状態を確認します。
インプラントがある
上部構造やスクリュー、周囲組織も含めて確認します。
矯正後
現在のリテーナーと保定計画を確認します。
顎が痛い
本当に咬合スプリントが適切なのかを診査します。
そのうえで、
プレオルソ ユーティリティを使用する目的と装着方法を患者さんごとに決めます。
単に、
「毎日8時間つけてください」
と時間だけを指示するのではなく、
今ある歯・セラミック・インプラントをどう守るか
という予防の視点から使用します。
まとめ|基本は就寝時。「長くつけるほど良い」ではありません
大人のプレオルソ(プレオルソ ユーティリティ)は、
基本的には就寝時の装着を中心に使用します。
つまり、
寝る前に装着して、朝起きたら外す
という使い方です。
ただし、
「最低○時間つければ効果が出る」
という全員共通の時間が決まっているわけではありません。
PreBeau Oral Careでは必要に応じて、日中のリラックスタイムに短時間使用していただく場合もありますが、
長くつければつけるほど良いわけではありません。
また使用期間も、
- 歯ぎしり・食いしばり
- セラミックの保護
- インプラントの保護
- 顎への負担
- 矯正後の保定
など、目的によって異なります。
重要なのは、
時間ではなく、目的。
そして、
正しく適合している装置を、適切な方法で継続すること
です。
痛みや噛み合わせの変化を我慢して使う必要はありません。
口の中は時間とともに変化するため、必要に応じて装置の適合や噛み合わせも確認します。
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参考文献・公式情報
- 株式会社フォレスト・ワン.
プレオルソ ユーティリティ|歯科用咬合スプリント.
販売名:プレオルソ
一般的名称:歯科用長期的使用咬合スプリント向け材料
医療機器分類:管理医療機器
医療機器製造販売認証番号:225ADBZX00053000. - Verhoeff MC, et al.
Updating the Bruxism Definitions: Report of an International Consensus Meeting.
Journal of Oral Rehabilitation. 2025.
PMID: 40312776.
DOI: 10.1111/joor.13985. - Zhang Y, et al.
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PMID: 38497610.
DOI: 10.1111/prd.12560.
執筆・監修:歯科医師 毛利 国安
PreBeau Oral Care