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寝ているときに呼吸が止まると言われたら?睡眠時無呼吸症候群のサインと受診先

Last Updated on 1 week ago by prebeau

「寝ている間に呼吸が止まっているよ、と家族に言われた」

「大きないびきをかいた後、急に静かになるらしい」

「しっかり寝たはずなのに、昼間に強い眠気がある」

このような場合、単なるいびきではなく、**閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA:Obstructive Sleep Apnea)**が隠れている可能性があります。

睡眠時無呼吸症は、睡眠中に上気道が繰り返し狭くなったり閉塞したりすることで、呼吸が弱くなったり、一時的に止まったりする睡眠関連呼吸障害です。

大切なのは、

「いびきがあるから睡眠時無呼吸」でもなければ、「いびきがないから大丈夫」でもない

ということです。

睡眠中の呼吸状態は本人には分かりにくいため、家族やパートナーからの「呼吸が止まっている」という指摘が、受診のきっかけになることも少なくありません。

東京・赤坂のPreBeau Oral Careでは、歯、噛み合わせ、舌、顎、口呼吸など、睡眠と関連する口腔側の要素を確認することができます。

ただし、睡眠時無呼吸症の診断は歯科用マウスピースを作る前に、適切な睡眠医学的評価を受けることが重要です。

この記事では、

  • 睡眠中に呼吸が止まるとはどういうことか
  • 睡眠時無呼吸症候群の代表的なサイン
  • いびきとの違い
  • 日中に現れる症状
  • 何科を受診すればよいのか
  • どのような検査をするのか
  • CPAPと口腔内装置の違い
  • 歯科がどこまで関われるのか

を分かりやすく解説します。

大人のプレオルソや睡眠中の歯ぎしり・食いしばりについては、こちらもご覧ください。

大人のプレオルソ|プレオルソ ユーティリティについて


寝ているときに「呼吸が止まる」とは?

健康な人でも、睡眠中の呼吸にはある程度の変化があります。

しかし閉塞性睡眠時無呼吸症では、睡眠中に上気道が狭くなる、あるいは閉塞することで、空気の流れが繰り返し低下または停止します。

睡眠中なので、本人がそのたびに

「今、呼吸が止まった」

と自覚することはほとんどありません。

そのため、

「いびきが突然止まる」

「しばらく静かになった後、ガッと大きく息をする」

「苦しそうにあえぐ」

といった様子を、家族やパートナーが先に気づくことがあります。


睡眠時無呼吸症候群の代表的なサイン

閉塞性睡眠時無呼吸症でみられる代表的な症状には、次のようなものがあります。

睡眠中に呼吸が止まる

家族やパートナーから、

「寝ているときに何度も息が止まっている」

と言われる場合は、重要なサインの一つです。

医学的にも**witnessed apnea(目撃された無呼吸)**は、OSAを疑う代表的な症状として扱われています。


大きないびきを繰り返す

習慣的な大きないびきも、OSAでよくみられる症状です。

特に、

大きないびき → 無音になる → あえぐように呼吸を再開する

というパターンが繰り返されている場合には注意が必要です。

ただし、いびきをかく人すべてがOSAというわけではありません。

反対に、OSAがあっても、家族がいないなどの理由でいびきを指摘されていない方もいます。

したがって「いびきの有無だけ」で判断することはできません。


睡眠中にむせる・あえぐ

睡眠中に突然、

「ガッ」

「ハッ」

というように息を吸い込む。

むせる。

苦しそうに呼吸を再開する。

このような症状も、OSAを疑う重要な情報になります。


朝起きたときにもサインが出ることがあります

睡眠中の呼吸障害は、夜だけの問題とは限りません。

朝起きても疲れている

十分な時間ベッドに入っているにもかかわらず、

「寝た気がしない」

「朝から疲れている」

「睡眠時間は長いのに眠い」

という場合があります。

呼吸障害によって睡眠が細かく分断され、本人が自覚しない覚醒が繰り返されている可能性があります。


起床時の頭痛

朝起きたときに頭痛を感じることも、睡眠時無呼吸症で報告される症状の一つです。

ただし、朝の頭痛にはさまざまな原因があります。

頭痛だけでOSAと判断することはできません。


起床時に口が乾いている

睡眠中に口呼吸が多い方では、

「朝起きると口がカラカラ」

と感じることがあります。

ただし、口腔乾燥にも、

  • 鼻づまり
  • 薬剤
  • 唾液分泌量
  • 加齢
  • 睡眠中の開口

など複数の原因があります。

口が乾くからといって、それだけで睡眠時無呼吸症と診断できるわけではありません。


日中にも症状が出ることがあります

睡眠時無呼吸症で特に知られている症状の一つが、日中の過度な眠気です。

例えば、

  • 会議中に眠くなる
  • 電車ですぐ眠ってしまう
  • テレビを見ていると寝てしまう
  • 本を読んでいると眠くなる
  • 集中力が続かない
  • 仕事中に強い眠気を感じる

などです。

特に注意が必要なのが、運転中の眠気です。

運転中に強い眠気を感じる場合は、「疲れているだけ」と考えず、睡眠の質や睡眠関連呼吸障害について医療機関に相談することが重要です。


「眠くないから睡眠時無呼吸ではない」とは限らない

ここは誤解されやすいポイントです。

睡眠時無呼吸症があっても、すべての人に強い日中の眠気が現れるわけではありません。

そのため、

「昼間は眠くないから自分は大丈夫」

とは言い切れません。

例えば、

  • 習慣的な大きないびき
  • 家族から指摘された無呼吸
  • 睡眠中のあえぎ
  • 高血圧
  • 肥満
  • 朝の頭痛
  • 熟睡感の欠如

などがある場合には、眠気の程度だけで判断せず、全体を評価することが大切です。


なぜ睡眠中に気道が狭くなるの?

閉塞性睡眠時無呼吸症では、睡眠中に上気道が繰り返し狭くなります。

その背景にはさまざまな要素があります。

例えば、

  • 肥満
  • 首周囲の組織
  • 舌の大きさ
  • 下顎の位置や大きさ
  • 軟口蓋
  • 扁桃
  • 鼻呼吸のしにくさ
  • 睡眠姿勢
  • 飲酒
  • 加齢

などです。

つまり、「一つの原因だけ」で説明できないことも多い病気です。


痩せていても睡眠時無呼吸になる?

なります。

「睡眠時無呼吸=肥満の人の病気」

というイメージがありますが、必ずしもそうではありません。

肥満はOSAの重要なリスク因子ですが、

  • 下顎が小さい
  • 下顎が後方に位置している
  • 舌が大きい
  • 口腔内のスペースが小さい
  • 上気道の解剖学的特徴がある

などによって、痩せている方でもOSAを発症することがあります。

日本人を含むアジア人では、体格だけではなく顎顔面形態も考慮する必要があります。

そのため、「太っていないから大丈夫」と自己判断することはおすすめできません。


睡眠時無呼吸を放置するとどうなる?

OSAでは、睡眠中に呼吸障害と覚醒が繰り返されます。

その結果、

  • 睡眠の質の低下
  • 日中の眠気
  • 集中力低下
  • QOL低下

などにつながることがあります。

さらにOSAは、高血圧や心血管疾患などとの関連が知られています。

American Heart AssociationのScientific Statementでも、OSAと高血圧、心不全、冠動脈疾患、心房細動、脳卒中などとの関連が取り上げられています。

ただし、ここで重要なのは、

「OSAがあれば必ず心血管疾患になる」という意味ではない

ということです。

個々のリスクは、OSAの重症度、年齢、体重、基礎疾患、生活習慣などによって異なります。


「呼吸が止まっている」と言われたら何科を受診する?

睡眠時無呼吸症が疑われる場合、中心となるのは睡眠医学的な診断ができる医療機関です。

例えば、

  • 睡眠外来
  • 呼吸器内科
  • 耳鼻咽喉科
  • 睡眠医療を専門に扱う内科

などがあります。

医療機関によって診療体制は異なります。

「睡眠時無呼吸症候群の検査に対応しているか」を確認して受診するとよいでしょう。


歯科に相談してはいけないの?

いいえ。

歯科にも重要な役割があります。

歯科では、

  • 歯列
  • 噛み合わせ
  • 下顎
  • 口腔内のスペース
  • 顎関節
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 口呼吸
  • 歯や歯周組織の状態

などを確認できます。

特に睡眠時無呼吸症に対して**口腔内装置(Oral Appliance)**を使用する場合には、歯科医師による評価と管理が重要になります。

しかし、

歯科医院で口の中を見ただけでOSAを確定診断することはできません。

ここは明確に分ける必要があります。


睡眠時無呼吸症候群はどうやって検査する?

代表的な検査には、

PSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)

があります。

PSGでは睡眠中の、

  • 呼吸
  • 酸素飽和度
  • 脳波
  • 心拍
  • 眼球運動
  • 筋活動
  • 体位

など、複数の項目を記録します。

AASMの診断ガイドラインでも、OSAが疑われる成人に対する標準的な診断検査としてPSGが位置づけられています。


自宅でできる検査もある?

症例によっては、**HSAT(Home Sleep Apnea Test:在宅睡眠時無呼吸検査)**が使用されることがあります。

自宅で機器を装着し、

  • 気流
  • 呼吸運動
  • 血中酸素飽和度

などを測定します。

ただし、誰にでも自宅検査だけで十分というわけではありません。

AASMは、HSATについて、

症状や病歴を含めた医療者による評価の一部として使用するもの

としています。

機械が自動的に出した数値だけで、自己診断するものではありません。


スマートウォッチだけで診断できる?

最近では、

  • スマートウォッチ
  • スマートリング
  • スマートフォンアプリ
  • いびき録音アプリ
  • 酸素飽和度を測定するウェアラブル機器

なども増えています。

こうしたデータが、

「自分の睡眠がおかしいかもしれない」

と気づくきっかけになることはあります。

しかし、消費者向け機器の結果だけでOSAを確定診断することはできません。

「無呼吸らしい数字が出た」

「酸素濃度が低いと表示された」

という場合には、その情報を医療機関へ持参し、必要な検査について相談するとよいでしょう。


睡眠時無呼吸症候群と診断されたらCPAP?

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸療法)は、OSAに対して広く用いられている治療法です。

マスクを通じて空気を送り、睡眠中に上気道が閉塞しないよう陽圧をかけます。

ただし、

「OSA=全員CPAP」

と単純に決まるわけではありません。

重症度や症状、身体的特徴、基礎疾患などを踏まえて治療方針が決まります。


歯科のマウスピースで治療することもある?

あります。

OSAに対して使用される歯科的治療の代表が、下顎を前方に保持するタイプの口腔内装置です。

一般に、

Mandibular Advancement Device(MAD)

Mandibular Advancement Splint(MAS)

などと呼ばれます。

AASMとAADSMの診療ガイドラインでは、CPAPを使用できない、または代替療法を希望する成人OSA患者に対して、口腔内装置を治療選択肢として検討することが推奨されています。

また、口腔内装置を使用する場合には、既製品ではなく、適切な歯科医師が管理するカスタムメイドで調整可能な装置が推奨されています。

さらに重要なのは、

装置を入れて「いびきが静かになったから治った」と判断しないことです。

治療効果を確認するために、必要に応じて睡眠検査を行うことも推奨されています。


「大人のプレオルソ」とOSA用口腔内装置は同じ?

同じではありません。

PreBeau Oral Careで扱う**大人のプレオルソ(プレオルソ ユーティリティ)**は、歯科用咬合スプリントです。

主に、

  • 歯ぎしり
  • 食いしばり
  • 補綴物やインプラントへの負担
  • 顎関節への負担
  • 矯正後の保定

などを考える際に使用されます。

大人のプレオルソについて詳しく見る

一方、診断された閉塞性睡眠時無呼吸症に対する口腔内装置治療では、睡眠中の上気道を確保することを目的に下顎位を調整する専用の装置が用いられます。

したがって、

「プレオルソを入れれば睡眠時無呼吸症が治る」

という説明は適切ではありません。

睡眠時無呼吸が疑われる場合には、まず適切な医学的評価を受けることが重要です。


歯ぎしりと睡眠時無呼吸は同時に起こることがある?

睡眠時ブラキシズム(睡眠中の歯ぎしり・食いしばり)とOSAの関係についても研究されています。

一部の患者さんでは両方がみられることがありますが、

「歯ぎしりがある=睡眠時無呼吸」

でも、

「睡眠時無呼吸がある=必ず歯ぎしりをする」

でもありません。

ただし歯科診療中に、

  • 強い歯の摩耗
  • 補綴物の破損
  • 舌・頬の圧痕
  • 顎周囲の疲労
  • 睡眠についての訴え

などがある場合には、睡眠について質問するきっかけになります。


PreBeau Oral Careで大切にしていること

PreBeau Oral Careでは、

「マウスピースを作ること」

そのものを目的にはしていません。

大切なのは、

その症状がなぜ起きているのかを考えることです。

例えば、

歯ぎしりがある。

大きないびきがある。

口呼吸がある。

朝、顎が疲れている。

家族から呼吸停止を指摘された。

これらが同時にある場合でも、すべてを一つの歯科用装置だけで解決できるとは限りません。

歯科で評価できる範囲と、睡眠医学で評価すべき範囲を分けることが重要です。

必要な場合には医科での睡眠評価をおすすめし、その後、歯科的な管理が必要であれば連携して考えます。

これは、PreBeau Oral Careの

「必要以上に削らない・必要以上に治療しない」

という予防中心の考え方にもつながっています。

院長・歯科医師 毛利国安について


まとめ|「寝ていると呼吸が止まっている」と言われたら一度検査を考える

睡眠中の呼吸停止は、自分では気づきにくい症状です。

そのため、

「寝ているときに呼吸が止まっている」

という家族やパートナーからの指摘は、重要な情報です。

特に、

  • 習慣的な大きないびき
  • 目撃された無呼吸
  • 睡眠中のあえぎ・むせ
  • 日中の強い眠気
  • 朝の頭痛
  • 熟睡感がない
  • 高血圧
  • 運転中の眠気

などがある場合には、睡眠時無呼吸症について一度医療機関へ相談することをおすすめします。

歯科にも、舌、顎、歯列、噛み合わせ、口呼吸、歯ぎしりなどを評価する役割があります。

しかし、

OSAの診断 → 適切な治療選択 → 必要に応じた歯科との連携

という順序を守ることが大切です。

「いびき用のマウスピースを買えば大丈夫」と自己判断するのではなく、まず自分の睡眠中に何が起きているのかを知ること。

そこが安全な治療への第一歩です。

大人のプレオルソ|プレオルソ ユーティリティについて


参考文献・診療ガイドライン

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    Journal of Clinical Sleep Medicine. 2017;13(3):479-504.
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    Journal of Clinical Sleep Medicine.
    AASM Position Statement.
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  5. National Heart, Lung, and Blood Institute(NHLBI).
    Sleep Apnea — Symptoms / Diagnosis.
    National Institutes of Health.
  6. American Academy of Sleep Medicine(AASM).
    Diagnostic Testing for Adult Obstructive Sleep Apnea.
    Clinical Practice Guideline / Patient Guidance.

執筆・監修:歯科医師 毛利 国安
PreBeau Oral Care