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前歯の白い斑点(白濁・シミ)、なぜ白く見える?光を当てて確かめたIcon(アイコン)治療の1症例

前歯に見られるホワイトスポットのIcon(アイコン)治療前の状態

Last Updated on 3日 ago by prebeau

鏡を見たとき、前歯の一部だけが白く浮いて見える。

いわゆる「ホワイトスポット」と呼ばれる状態ですが、実際の診療では、表面から見える白さだけで治療方法を決めるわけではありません。

同じように白く見える歯でも、その原因や広がり、エナメル質の状態はそれぞれ異なります。

ホワイトスポットの原因や治療方法をまとめて知りたい方は、ホワイトスポット治療とIcon(アイコン)についてでも詳しく紹介しています。

今回は、PreBeau Oral Careで実際にIcon(アイコン)による低粘性レジン浸潤を行った前歯の症例をもとに、治療前にどのような点を確認しているのかをご紹介します。

白く見えているのは「白い色が付いている」からとは限らない

ホワイトスポットは、歯の表面に白い色が付着している状態とは異なります。

エナメル質の内部構造が周囲と異なることで光の散乱が起こり、健康なエナメル質よりも白く、不透明に見えることがあります。

そのため診察では、患者さんが気にされている「白さ」だけではなく、その部分で光がどのように通っているかも確認します。

そのときに使う方法のひとつが、歯の後ろ側から光を当てて観察する透照診(transillumination)です。

光を後ろから当てると、違った情報が見えてくる

通常の診療用ライトで見ると、前歯の一部に白い斑点が確認できました。

治療前。通常光では前歯の一部に白い斑点が確認できます。


そこで、同じ歯を後ろ側から光を当てて観察しました。

前歯のホワイトスポットを歯の裏側から透照して確認した治療前画像
治療前の透照像。通常光で白く見えていた部分が、周囲とは異な
見え方をしています。

透照すると、通常光で白く見えていた部分が、周囲とは異なる影として確認できます。

ただし、「影が濃いから深い」「この影なら何mmの深さがある」といった判断ができるわけではありません。

透照診だけで病変の正確な組織学的深さを測定することはできませんが、通常光だけでは分かりにくい病変の広がりや、周囲との光学的な違いを確認するための補助になります。

実際の診察では、通常光での見え方、乾燥させたときの変化、表面の状態、白斑の境界や色などを見たうえで、必要に応じて透照診を組み合わせています。

今回選択したのはIconによる低粘性レジン浸潤

今回の症例では、診査したうえでIcon(アイコン)による低粘性レジン浸潤を行いました。

Iconは、白く見えている部分を大きく削り、詰め物や被せ物に置き換える治療とは考え方が異なります。

エナメル質内部の微細な空隙へ低粘性のレジンを浸潤させることで、内部で起きている光の散乱を変化させ、白濁を周囲のエナメル質になじませることを目指します。

前歯のホワイトスポットにIcon(アイコン)の低粘性レジンを浸潤させている治療中の様子
Icon(アイコン)による低粘性レジン浸潤を行っている治療中の様子。


歯の形を削って白い部分そのものを取り除くのではなく、できるだけ健康な歯質を残しながら見え方の改善を目指せることが、この治療の特徴です。

私はこれまでにもIconによるホワイトスポット治療の症例や治療上のポイントをまとめており、株式会社ヨシダの歯科医療専門情報でも、「アイコンによるホワイトスポット治療:成功の秘訣と長期的な効果維持のためのポイント」として紹介しています。

ただし、ホワイトスポットであればすべて同じように改善するわけではありません。

治療後、同じように光を当てて確認する

治療後にも、歯の後ろ側から光を当てて確認しました。

前歯のホワイトスポットに対するIcon(アイコン)治療前後の透照画像比較
上:治療前、下:治療後。同じ部位を透照して比較した治療前後の画像。治療後は、治療前に確認できた影が目立ちにくくなっています。


治療前には白濁部に一致して影のように見えていた部分が、治療後には目立ちにくくなっていることが確認できます。

これは、歯の表面を白い材料で覆った結果ではありません。

低粘性レジンが病変部へ浸潤することで、エナメル質内部での光の通り方が変化した結果として捉えることができます。

一方で、この透照画像だけから「病変そのものが完全になくなった」と判断することはできません。

見た目がどの程度改善したかという評価と、歯の内部状態についての評価は分けて考える必要があります。

この点についても、Icon治療を検討される患者さんには治療前に説明しています。

「ホワイトスポット=Icon」ではありません

白い斑点があるからといって、すべてのケースでIconを行えばよいわけではありません。

ホワイトスポットの背景には、初期の脱灰、矯正治療後に生じた白斑、歯の形成時に生じたエナメル質の変化、MIH(モーラー・インサイザー・ハイポミネラリゼーション)など、さまざまな状態があります。

病変の状態によっては、Iconだけでは十分に色調をなじませることが難しいケースもあります。

診療で最初に考えるのは「Iconができるか」ではなく、「この白い部分がどのような状態なのか」です。

その診断によって、治療の選択肢も変わります。

同じ前歯の色調変化でも、白いホワイトスポットだけでなく、茶色い色調を伴うブラウンスポットでは治療の組み立てが異なることがあります。

実際に、幼少期から前歯にブラウンスポットがみられた症例では、先にオフィスホワイトニングを行い、約2週間後に残った白濁へIcon治療を行いました。

ブラウンスポットにホワイトニングとIconを組み合わせた実際の症例はこちら

前歯のホワイトスポットにIcon(アイコン)治療を行った後の通常光写真
Icon(アイコン)治療直後の通常光での状態。※治療直後、薬剤の影響により白い線や点がありますが、1週間程度で馴染んでいきます。

この症例の治療内容・費用・主なリスク

治療内容

前歯2歯に見られたホワイトスポットに対し、Icon(アイコン)によるレジン浸潤法を行いました。

専用のエッチング材でエナメル質表面を処理した後、低粘性のレジンをエナメル質内部の微細な空隙へ浸潤させ、光重合を行います。

治療期間・回数

本症例では、初回に前歯2歯のIcon治療を行いました。

治療直後は歯が乾燥していることなどにより、最終的な色調とは異なって見えることがあります。そのため、治療後約2週間を目安に、周囲の歯との色調のなじみやホワイトスポットの見え方を確認します。

2週間経過後の状態、周囲の歯とのなじみ、ホワイトスポットの残り方、患者さんご本人の見え方やご希望などを総合的に確認し、必要に応じて2回目のIcon治療を検討する場合があります。

すべての症例で2回目の治療が必要になるわけではありません。

費用

初診・診断料:3,300円

Icon(アイコン)治療:22,000円/1歯

本症例:前歯2歯
22,000円 × 2歯 = 44,000円

初回合計:47,300円(税込)

※追加のIcon治療が必要となった場合は、治療する歯数や内容に応じて追加費用が発生する場合があります。追加治療を行う場合は、状態を確認したうえで事前に治療内容と費用をご説明します。

主なリスク・副作用・治療上の注意点

Icon治療の結果には個人差があります。

ホワイトスポットの原因、深さ、範囲、エナメル質の状態などによっては、治療後も白斑が一部残って見える場合や、1回の治療では周囲の歯と十分になじまない場合があります。

また、同じ治療結果であっても、ホワイトスポットの見え方や仕上がりに対する感じ方には個人差があります。そのため、追加治療の必要性については、治療後の状態だけでなく、患者さんご本人の見え方やご希望も確認したうえで判断します。

治療直後は、歯の乾燥や処置の影響によって、一時的に白い線や点、周囲との色調差が目立って見えることがあります。最終的な仕上がりは治療直後だけで判断せず、一定期間経過後に評価します。

Iconでは、エナメル質表面の処理に専用のエッチング材を使用し、その後レジン材料を浸潤・光重合します。治療中は歯肉や口腔粘膜に薬剤が触れないよう保護しますが、薬剤が接触した場合には一時的な刺激や白変などが生じることがあります。

また、使用する材料の成分に対して、まれに過敏反応や接触アレルギーなどが生じる可能性があります。

ホワイトスポットの状態によっては、Icon治療のみでは希望する改善が得られず、追加のIcon治療やその他の治療方法を検討する場合があります。

Icon治療によってホワイトスポットが完全に消失することを保証するものではありません。

診療情報

診療場所:PreBeau Oral Care(東京都港区赤坂)

担当歯科医師:毛利 国安

本治療は自由診療です。



白い部分を完全に「消す」ことだけをゴールにしない

ホワイトスポット治療について、「1回で完全に消えますか?」と聞かれることがあります。

実際には、病変の深さや範囲、原因、周囲の歯の色、エナメル質の透明感などによって結果は異なります。

2026年にEuropean Journal of Orthodonticsで報告されたレジン浸潤療法に関する系統的レビュー・メタ解析でも、研究間のばらつきが大きく、長期的な治療結果を評価するためには、より大規模で標準化された研究と長期経過観察が必要であることが指摘されています。

そのため、治療前から「完全に消える」と約束することはしていません。

どの程度の改善が期待できそうなのか。

健康な歯質をできるだけ残すには、どの方法が適しているのか。

診察では、その両方を考えながら治療方法を選択しています。

写真に残すことで、治療前後を振り返る

ホワイトスポットは、患者さん自身が毎日鏡で見ている部分です。

そのため、わずかな色や透明感の違いにも気づかれることがあります。

PreBeau Oral Careでは、可能な限り治療前後の状態を写真として記録しています。

今回のように透照診も組み合わせると、肉眼で見た「白い・白くない」という印象だけではなく、光の通り方という別の視点からも治療前後を確認できます。

臨床写真は、Before / Afterを見せるためだけのものではありません。

診断し、治療方法を考え、その結果を振り返るための記録でもあります。

前歯の白い斑点が気になっている方へ

ホワイトスポットには、さまざまな原因と治療方法があります。

最初からIconを行うことを前提にする必要はありません。

まず白斑の状態を確認し、そのうえで低粘性レジン浸潤が適しているのか、別の方法を検討した方がよいのかを考えることが大切です。

東京・赤坂のPreBeau Oral Careでは、通常光での診察だけでなく、必要に応じて透照診なども用いながらホワイトスポットの状態を確認しています。

治療方法や費用、Iconが適しているケースについては、東京・赤坂のホワイトスポット・Icon治療で詳しく紹介しています。

この症例について

治療方法:Icon(アイコン)による低粘性レジン浸潤

診療場所:PreBeau Oral Care(東京都港区赤坂)

担当歯科医師:毛利 国安

治療結果には個人差があります。ホワイトスポットの原因、深さ、範囲、歯質の状態などによって、適した治療方法や改善の程度は異なります。


執筆・監修

毛利 国安 歯科医師

PreBeau Oral Care 院長
DMG Icon KOL・Icon公認講師

ホワイトスポットに対するIcon治療を含め、健康な歯質をできるだけ保存する低侵襲な歯科治療に取り組んでいます。

参考文献・関連資料

Ståhl L, Papageorgiou SN, Westerlund A, Naoumova J. Outcomes of resin infiltration for white spot lesions at different time points: a systematic review and meta-analysis. European Journal of Orthodontics. 2026;48(3). doi:10.1093/ejo/cjag021

毛利国安.アイコンによるホワイトスポット治療:成功の秘訣と長期的な効果維持のためのポイント.株式会社ヨシダ

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