【小児矯正】4〜7歳のお子さまへ。お口の筋肉を育てる「プレオルソ(筋機能矯正)」とは?
Last Updated on 1 week ago by prebeau
こんにちは。東京・赤坂の歯科クリニック「PreBeau Oral Care プレビュー・オーラル・ケア」、院長の毛利国安です。
当院では、お顔や顎の成長が最も活発な4〜7歳頃のお子さまを対象に、「プレオルソ」というマウスピース型の装置を用いた小児矯正を提供しています。
「矯正」と聞くと、ワイヤーを使って歯を直接動かす治療をイメージされるかもしれません。しかしプレオルソは、歯を力で動かすのではなく、口周りの筋肉(口輪筋や舌など)の働きを整えることで、顎の正しい成長を促す「筋機能矯正(顎顔面筋機能療法)」を目的とした装置です[1]。
プレオルソの3つのタイプとその役割 お子さまの現在の骨格や歯並びの症状に合わせて、大きく3つのタイプが用意されており、それぞれ明確な役割があります。
- タイプ1(Type I):出っ歯・でこぼこ用 上の歯が前に出ている上顎前突(出っ歯)や、歯が重なり合う叢生(そうせい)のお子さまに適応します。
- タイプ2(Type II):開咬(かいこう)用 奥歯でしっかり噛んだ状態でも前歯が開いてしまう「開咬」の改善に使用します。舌を前へ出してしまう悪習癖を防ぎます。
- タイプ3(Type III):受け口用 下の歯が上の歯よりも前に出ている反対咬合(受け口)の改善に特化したタイプです。下顎の成長コントロールが必要なため、早期の介入が特に重要視されます[2]。
治療を成功に導く「正しい使用」と「成長の個人差」について プレオルソには優れた機能が備わっていますが、「ただ持っているだけ」「気が向いた時だけつける」では、本来の効果は発揮されません。 日中の一定時間(起きている間の1時間程度)と、就寝時の装着ルールを毎日しっかり守ること(コンプライアンス)が何よりも重要です。
また、筋機能矯正は「お子さま自身の自然な成長力」を利用する治療です。顎の骨格の成長スピードや筋肉の反応には当然ながら個人差があり、同じ装置を使っても結果の現れ方や期間は異なります。誇張なく事実をお伝えすると、ご家庭での「正しい装着の継続」と「お子さまの成長のタイミング」が噛み合ってはじめて、最良の結果へと繋がります。
医学的根拠(エビデンス)に基づく当院の筋機能矯正 当院が小児期のアプローチとしてプレオルソ(筋機能矯正)をご提案する背景には、高い信頼性を持つ科学的文献が存在します。各症状に対する有効性は、以下の国際的な医学研究によって支持されています。
- 受け口の改善: 成長期の骨格性反対咬合に対し、既製の筋機能矯正装置が顎の成長コントロールおよび歯列の改善に極めて有効な選択肢であることが三次元的評価により実証されています[2]。
- 「お口ポカン」や悪習癖の改善: 筋機能矯正装置の継続使用により口周りの筋力(口唇圧)が有意に向上し、異常な嚥下(飲み込み方)や口呼吸から健康的な鼻呼吸への移行を強力にサポートすることが前向き研究で明らかになっています[3]。
- 睡眠時の呼吸の質の向上: 小児の軽度〜中等度の閉塞性睡眠時無呼吸に対して、装置によって舌や筋肉が正しい位置に誘導され、有効な代替治療になり得ることが医学的に支持されています[4]。
- 顔のバランス(軟組織)への好影響: 機能的矯正装置が、骨格や歯列だけでなく、お顔の筋肉やプロファイル(軟組織)のバランスを改善し、長期的な顔貌の自然な成長に良い影響を与えることが複数の研究で報告されています[5]。
保護者の方からよくあるご質問(Q&A)
- Q1. プレオルソは痛くないですか?
A. はい。ポリウレタン製の柔らかい素材で作られているため、金属ワイヤー矯正のような強い締め付けや痛みはありません。お口の粘膜を傷つける心配も少ないため、小さなお子さまでも負担なく始めやすいのが特徴です。 - Q2. いつ装着すればいいですか?学校へ持っていく必要はありますか? A. 学校へ持っていく必要はありません。「日中起きている時の1時間」と「寝ている間(就寝中)」のみの装着で効果を発揮するように設計されています。ご自宅での時間だけで完結するため、無理なく続けられます。
- Q3. 歯並びだけでなく、お口ポカンも治りますか? A. はい、改善が期待できます。装置を装着して正しくお口を閉じるトレーニングを行うことで口輪筋などの筋肉が鍛えられ、舌が正しい位置に収まります。これにより健康的な鼻呼吸の習慣化に繋がります[3]。
医院情報・ご予約 PreBeau Oral Care プレビュー・オーラル・ケア(Googleビジネスプロフィール) 院長・執筆:毛利 国安(歯科医師) 住所:東京都港区赤坂3-15-5 アーベイン赤坂5階 ▶︎ 当院のGoogleビジネスプロフィール内 WEB予約はこちら(24時間受付)
参考文献(References) 本記事の執筆および当院の筋機能療法において根拠としている、公式資料および医学的にエビデンスレベルの高い国際的な学術文献リストです。
- [1] 公式「プレオルソ」ホームページ|大塚矯正歯科クリニック 文献の解説:プレオルソの開発者である大塚淳先生による公式情報。機能的顎矯正装置としての仕組みや、お子さまの筋機能療法における基本的な役割が網羅されています。
- [2] Using Functional Education Appliance on One Patient with Class III Malocclusion in Mixed Dentition: A Case Report (PMC) 文献の解説:混合歯列期における骨格的な反対咬合(受け口)に対し、既製の筋機能矯正装置(プレオルソのType 3に相当)が顎の成長コントロールおよび歯並びの改善に有効であることを三次元的に評価した医学論文です。
- [3] Short-Term Effects of a Myofunctional Appliance on Atypical Swallowing and Lip Strength: A Prospective Study (PubMed) 文献の解説:筋機能矯正装置が異常な嚥下や口唇圧に与える影響を調査した前向き研究。装置の正しい使用によって「お口ポカン」が改善され、口周りの筋力が有意に向上することが実証されています。
- [4] Efficacy of a Pre-Fabricated Myofunctional Appliance for the Treatment of Mild to Moderate Pediatric Obstructive Sleep Apnea: A Preliminary Report (PubMed) 文献の解説:既製の筋機能矯正装置が、小児の睡眠時の呼吸障害(いびきや口呼吸など)に対して有効な代替治療になり得ることを示した臨床研究報告。装置によって舌や筋肉が正しい位置に誘導される効果が支持されています。
- [5] Effects of a prefabricated functional appliance on dentoskeletal and soft tissue profile (PubMed) 文献の解説:機能的矯正装置が、骨格や歯列だけでなく顔の軟組織(筋肉や皮膚のプロファイル)にどのような影響を与えるかを調査した研究。お顔の自然なバランス形成に役立つことが報告されています。